第86章 紡ぎ
侑子『あれと接するだけ、触れるだけ、見るだけで、言葉に起こすだけで、口は穢れ、内臓は爛れ落ち、全てが消える元(もと)にもなり兼ねない…
あれはただの墨汁
同じ癌を生むものでしかない、危険なものよ
たとえ本人にその気は無くともね――
必ずなるわ、癌に』←4715ページ参照
始祖神『チャンスを与えなきゃ
まだ控え(癌となった全ての魂を記載した書類の束)に載っていない初めての魂なんだし…←4976ページ参照
そうでない可能性も…‥………
ケイト『1兆分のいくつ?』
無限分の1もないわね
ケイト『………………』じとおおお
100兆年に1人はいるのよ?
ケイト『……その1人は?』
…‥……←顔逸らし硬直
まだ出てない』←5009,5010ページ参照
ミカエル『この世も世界も隔てられた水槽。
中にいる神以外のものは皆、稚魚のようなもの。
稚魚を養育している感覚に近いですな、神になるまで。』←4988ページ参照
この世は水槽
この世の中に居る神以外のものは皆、稚魚のようなもの
生き餌に食い付くかどうかで「創世神の親殺し=癌の魂」か判別&審査中
文字通り泳がせている&釣りの真っ最中
生け簀
釣り
やっと合点が行った……
ケイト「最初に言えやああああああああああああああああああ!!!!!!!!・・」
フィン(うん…気持ちはわかるけれど落ち着こうか;(腕組み頷く)
想いは同じだけれど…;)たらーり←ウリエルへじと目を向ける
ウリエル「諦めは付きましたか?」
ケイト「そりゃあ」ぐっ←言葉を唾ごと飲み込む
ウリエル「心痛も発する価値も無いとわかりましたか?」
ケイト「………;
わかったけれど…
繰り返させない為にも、必要な措置なんだってことも……
創世神の親を殺した一派を、箇条書きで全て並べ立てる訳にはいかないの?」
ウリエル「可能です。
ですが不可能です」
ケイト「どゆこと!!?;」
ウリエル「いいですか?
癌をこの世で泳がせるということは、隠れ癌をいぶり出す為に必要な措置です。
チャンスを与えた所で本質があれなので癌から上がることは不可能だとわかっています。生まれた時点で。←5009ページ参照
その隠れ癌をもまた、同様に必要な措置なのですよ」
ケイト「瞠目)!…まさか!」
ウリエル「ええ…その場合、隠れ癌までは記載されません」
