第86章 紡ぎ
朝食を共に食べている間に教わった情報…
それらによると……
ケイト「『人として一番大事な根幹、心』は…『大事にしてくれた人達へ、大事にしようと気に掛ける、見向きをし、寄り添い、気遣う心』
自らを大事にしてくれた人達に対して、見ず、大事にせず、思い遣らず、蔑ろにする、過度な甘えで返し、一方的な利用と搾取を繰り返す
正当化に走り、凝り固まり、自らにとっての認識を押し付けて、蔑ろにしているつもりはないと押し付けて、歪める
自らの言動、恩に対する仇返し、その非を認めず、歪め、正当化し、凝り固まった時点で、癌化は始まり、消滅を迎える
まあ…そんな所だ
癌化のメカニズムは
善だという思い込みによる正当化から始まる
非を認めず、歪め、成長の阻害をするから…堕落し、破綻し、軽薄な存在となって、膜が破れて、闇そのものとなって、消え行く
自らの非を認めないまま…背負おうともしないままに…繰り返し続けることによって始まる
暴走を――」
リヴェリア「正当化という名の暴走、歪み…それらは止められないのか?」
ケイト「無理
癌に、癌になるなって求めるのは…生きるなって言われるのと同意義だから無理だ
どんなに努力しても、本質から、心から癌なんだ
避けられない
無駄なんだよ…本人の在りたいと望む形から癌なんだから」
『……なるほど』ふむふむ
ケイト「……本人が自ら気付いて、反省出来るなら…また、違った形があったかもしれねえが……」
フィン「それがあったら癌じゃない
…だね?」
始祖神&ケイト『その通り!』こっくり←深々頷く
いや全くもってその通り!
と続ける2人に対し…僕は続けた
フィン「要は…本人の人となり、心、その在り様から、既に定まったことだということか?」
ケイト「うん」
始祖神「生まれた時から決まってる」
ケイト「え゛」始祖神(右)へ顔ごと体を向け見やる
始祖神「え?」
ケイト「ごめん、そこまでは思いたくは無かった;」
始祖神「それこそ荒唐無稽よ
あり得ない」
ケイト「なら最初っから生まなきゃいいじゃない;」
始祖神「チャンスを与えなきゃ
まだ控え(癌となった全ての魂を記載した書類の束)に載っていない初めての魂なんだし…←4976ページ参照
そうでない可能性も…‥………」
ケイト「1兆分のいくつ?」
始祖神「無限分の1もないわね」
