第85章 エラー
フィン「リヴェリア…
美味しい所を取るのはやめてもらえないかな?;」
リヴェリア「話の本題を早く言わないお前が悪い」きぱっ
フィン「だとしてもさ…;」
リヴェリア「早い者勝ちだ」にやり←したり顔
抱き締めたまま、これでもかとばかりに笑い掛けてこられた
倒れた木のベンチにお互い向き合う形で座ったまま、ジョッキを横に置いたケイトに…僕達はそう諭すように言う外なかった
どうにもならないこと(癌)に縛られるのは、もうやめよう――と
癌は、自分の意志で癌になっているのだから、と
止められるものでは無いのだと…
たとえ、神であったとしても止めることは出来ないのだと
だから…癌には、消滅以外の道が残されていないのだとも…
それでも…痛みを感じることが出来ることも、背負おう、無駄にさせまいと頑張る所も…本当に尊敬に値するんだけれど……;
フィン「ンー…;
拘り過ぎだと思うよ?;
どうにもならないこと(癌)に;」
リヴェリア「言わずもがなだ;
見るまでも無い、言うな、わかる;」
フィン「でもこのままだと自死してしまい兼ねない勢いなんだが;」
リヴェリア「だとしてもだ;
本人が割り切るより外ないだろう;
元より承知の上で選んだはずだ…婚姻すると」
フィン「ん?」
リヴェリア「それを支えるのは、私達の役目だろう」
フィン「あー…リヴェリア?」
リヴェリア「?どうした?」
フィン「僕が言いたいのはそういうことじゃなくて…
ケイトなりに、生きようという意欲を引き出させたいなということで…
別の方向に向けて」
リヴェリア「なるほど…そういう意味か」
フィン「ンー…‥…←腕組みし、頭を捻る
参ったね…
僕達の消滅に関わるかもしれない、となると…どうにも切り離し辛いだろうし…何より辛いし」
リヴェリア「そればかりは仕方ないというより外ない。
最早詮無いことだ」
フィン「だが痛みは別だ。
感じることは、心は、切り離せるものでも無い。
もし仮に慣れるまで耐久戦をするとしても…限度がある」
リヴェリア「なるほど…だから、自死してしまい兼ねない、という訳か」
フィン「ああ←頷く
それをどうにかして避けたいんだが…
如何せん……」
「「問題が山積みだ&な;」」
リヴェリア「癌は手段を選ばないからな;」嘆息
フィン「利用されるだけだしね;」嘆息
