第85章 エラー
生きていたいよりも、死にたい
消えたくないよりも、消えたい
自分一人のせいだ等とおこがましい
昔――そう言われた
それでも禁じ得ないのは…私の意志、他でもない…自分の心
だから――――それを曲げろと強要されているようにしか、感じない
ただの愛情だと――いくら、わかっていたとしても
それが辛い
ヒシヒシと…
そんな想いが、痛切に伝わってきた
伝わってきては止まらなかった……
慟哭が…憎悪が…憤怒が…止められないことも――その想い(激情)も……
それが…君の答えか
フィン「ケイト…悪いけれど……
その想いには、応えられない」
ケイト「!!(瞠目)
……」きゅっ←項垂れたまま、唇を噛み締めるようにきつく結ぶ
フィン「……今の君では、ね」
ケイト「……?」顔を上げる
フィン「今の君は…妄執に囚われているように見える…
僕達が…癌に見えてならないんじゃないか?」
ケイト「はっ!)!(瞠目)
…そんなことっ!」汗
フィン「……君もわかっているはずだ。
僕達は…人間は、この世の人達は皆…君の、原初の始祖神を、蔑ろにしてきてしまっている…
君達からすれば…僕達が癌だ。
そう思われても仕方のないことをしてしまっているのも事実だ」
ケイト「違う!!ちゃんと正しく生きている人達だっている!!
その人達のお陰で!実在化の滞りだって減ってきている!!!
そういった人達が居なければ…世界はもっと早くに潰えていた!!!」
フィン「もしそうだとしても……
君達にとっては変わらない。
君達は…創世神の膜に囚われれば、二度と動けず、出ることも叶わず、全ての自由を奪われる。僕達の自由の為だけに――
己の全ての自由と時間という対価を支払って、僕達へ自由と時間…学びという可能性を与える為だけに……
だからこそ……この世の人達から、癌が生まれる…そういう定めなのかもしれない……
君達は…僕達が愛おしい存在であると同時に、憎しみの対象でしかない。
そうであっても、そう思われても仕方のない、おかしくない仕打ちを、僕達はしてしまっている…
事実…君達の本当の願い…癌の救済なんて、実現出来ない。
癌のような…「『無償の愛』の亡者」であっても、救われて欲しいと願う心はわかる。
どうにもならない痛みも…歯がゆさも…
でも……」