第85章 エラー
アーニャ「ゴロゴロゴロゴロ」
喉を鳴らし続ける中…ケイトはその顎を優しく撫で、背を撫でる
アイズ「…いいな」ぽつり
ぽんっ
ラーニェ「また明日がある」←明日の夜
レイ「あなた達は明日だものね…」
フィン「リヴェリアも明日だったね昼」
リヴェリア「ああ。アイズは朝だが…
昼にアルヴの王森に着くようにせねばならんな…
恐らく、怒り心頭になるだろう」
こくこく
異口同音に、皆が揃って頷いた
それとは我関せず…2人きりの時間は続き……
ケイト「……………
癌……か」
ぽつりと、吐き捨てるかのように呟く言葉…
それを聞いているのは――月夜だけ
酒が回ってかアーニャは既に眠り…
そして――――
もうお開きの時間になっても
リュー&アイシャ『はあああああああああああ!!!』
ティオナ「もうお開き!!寝る時間だよ~!!」
戦い続ける2人に叫ぶティオナだった
が…ケイトが寝入ったタイミングになるまで、全く気付くことも一切なかったという……;
その眠る前…
フィン「眠れないのかい?
もう皆寝たよ?」
ケイト「…ん……」
リヴェリア「癌と言っていたな」
ケイト「…ああ…(ぽつり)←ジョッキを呷る手を止め、俯き気味にジョッキ内の水面に映る自身を見る
人間性の話だよ
自分ばかりで…人を見ない
思い遣ってくれる人も、大事にしてくれる人も…命を賭してまで尽くしてくれた、それで死んでいった人達も…
それが…一番、犯しちゃならない罪だ
見ない行為は、思い遣らない行為は、何よりも罪深い
それが、その相手が、思い遣ってくれる人なら、尚更…」天を見上げる
リヴェリア「それが悪だ」
フィン「癌だね」
ケイト「…俺は……電池と同じだ
自由なんて、何も無い
縛られて、助けることも出来なくて…願いも、何も、叶わない…
誰も死なない、消えない…そんな世界が、実現して欲しい…
でも…それじゃあ、ダメなんだ…(ぽとっ)
また…また……っ(涙声)
創世神の親と、同じ過ちを繰り返しちまう…
それじゃあ…元の木阿弥だ…
俺は…私は……何も、守れてない
もう、消えたい、死にたい…誰も、消えたり、死んだりする所なんて見たくない
見ないようにしてても…伝わってくるんだ、勝手に
自分の意志なんて、汲まれないままに」滂沱の涙