第85章 エラー
ケイト「今を…生きる」
フィン「ああ…生きているからには、ね?
自ら死を選ぶことも無いだろう?
自殺なんてしたら…同じ人生を繰り返すことになる。そう罰が下る…
君が教えてくれたことだ。
君は…みすみすその道を選ぶのかい?人を不幸に巻き込む道を」
ケイト「選ばない!!!」
フィン「じゃあ…行こう(帰ろう)?」手を差し伸べて微笑み掛ける
ケイト「……←真っ直ぐ手を見つめ、迷ったような表情を一瞬浮かべた後
…」フィンの顔を見る
フィン「…」変わらず笑い掛けたまま…目を細めたまま、優しい眼差しで真っ直ぐケイトの目を見つめている
信じているからね
ケイト「うん!」強く頷き、その手を取って、微笑みを返した
やっと霧を抜けた
そんな晴れ晴れとした顔をしていた
それからやっと…本当に折り合いが付いて
帰ると……ちょうど6時になった所らしく、囲まれてクラッカーを鳴らされた
終始ぶつかり合ったままのリューとアイシャは置いて、パーティーならぬ宴が開かれた
歓迎会兼祝いなのだとか…
精霊達も守り人達も挙って僕等を歓待してくれていた
リヴェリアが珍しく酒を煽ったかと思えば、アイズがもし伴侶を持つなら最低限の品性と高い人格と同格の実力を持った人が好ましいと酒の席で語り出し、ロキやガレスに呆れられていた
それで同じ相手に惚れていれば栓も無し…と僕は苦笑していた
彼女はエルフの王族でハイエルフなのだが、頑迷で視野が狭く他者を見下す傾向のあるエルフ達のことはあまり好ましく思っておらず辟易している
里を出た理由もエルフの価値観に耐えられず、未知の世界を自分の目で見たいから
その後ロキによって半ば無理矢理ファミリアに加えられたがゆくゆくはオラリオを出て世界を旅するつもりで、今まさにその真っ最中という訳だ
父親との喧嘩別れ以来のアルヴの王森という訳だ――
そして…
リヴェリア「原初の神々関連のことも記した手紙を既に先に送った」
フィン「ぶふっ」酒を吹き出す
ケイトという小人族の女性と結婚した
彼女は原初の始祖神様だ
私は原初の世界神だった
ケイトは神国の王だ
明日そちらに着く
それらの事実を受け止め切れず、到着を待たずに昏倒したという……
リヴェリア「ふっ」キラーン!!
その笑みは黒かった、とだけ言っておこう;←目を逸らし、ちびっと酒を飲む
