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Unlimited【ダンまち】

第85章 エラー





それなら…よかったのですが……

そう言い淀む私に、ケイトは微笑んでみせた


ケイト「いつもありがとう

嫌気が差したり、色々と迷惑を掛けたりすることも、今後あると思う
減らそうとは思ってはいるけれど……

何でかな…寂しくなっちゃうんだ……
そのこと、わかってくれる人もいるの、わかっては…いるんだけれどもさ……


頭と心は別、ってばっかりに…なりがちなんだよ……

ごめんね…本当に」

そう、握り拳を固く握り締めながら、涙を浮かべた
震えながら…不甲斐なさからか、情けなさからか……

そんなケイトを、再び抱き締めた


アスフィ「大丈夫です…

そう追い込まないで
大丈夫だから」微笑

ケイト「……
(ぽとっ)

……

っ…、……


ありがとう」ぽつり

僅かに俯き、その温もりの安堵からか、やっと溜息を零した

声を詰まらせながら、
その言葉と共に、抱き返してくれた


アスフィ「………」

言葉を探す中…ケイトの心の紋様が浮かび上がってきた


ドラゴンのようなものが浮かび上がり、太極図の中に顕現していた
(作者ホームページ先の画像参照)

白と黒、各々に…金色に光り輝く龍神が舞っていた


ケイト「頑張っても頑張っても頑張っても…
見られないのは…寂しい

でも……守らなきゃ……おれは……おれしか、いないんだから

ひとりの勝手に、めちゃくちゃに、したりなんかしたら、だめなんだ

だめなんだよおおお」ぼろぼろ

感極まったように涙を流す中…心が開放されてか、抑圧され続けた…
いえ、自ら抑圧し続けていた最後の枷が…カシャンと外れる音がした


パリィン

剪定の紋章を左掌に、始祖神の紋様を右掌に、左手が上になるよう合掌し、眼前に差し出して構える

ドルオーラのように放たれたそれは……

高らかに…龍の口のように、叫ぶかのように、放たれた


ケイト「ジェット・ブラスト!!」

依頼にあった、ベテルーンの生命の泉に巣くう沼の王を射抜いた
ヴェーラ・ファミリアからの…生命の泉を復活させてくれという頼みを――


依頼料はいらない…

ただ…これまでの頑張りの分、報われて欲しい
それが…報酬としての望みだった



願わくば――より良い付き合いを――幸せを





それだけだった





アスフィ「……ばか」

温かな光に、涙が不意に零れ落ちた


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