第83章 剪定
つまりこの世は…癌の更生場であると同時に、皆の学び場でもある
フィン「つまり…
癌が消えるタイミングは…自らの魂の膜が壊れる直前に近いということか
その時まで…学びの機会を与える為に、維持できるように、君が犠牲になるということか!」ギリッ!!←歯噛み
ケイト「まあ仕方ないよ
こっちが犠牲になることに関しては
でも…
(ギリッ!!)←歯噛み
(ぽおっ!!)←再び双眸の瞳孔に光が宿る
お母さんの犠牲を、何とも思わず、見向きもせず、力になろうともしない
そんな在り方は…褒められたものじゃないとは思う
最も嫌いなのは…そういった……恩を恩とも思わない外道だ!」ギンッ!!
フィン「それが「癌」だ
やっとわかった…←背を椅子に預け、もたれ込む
霊体が癌になるまでの間、それがタイムリミット
だがそれを過ぎても魂の癌からの浄化が叶わない場合、魂と霊体の双方、すなわち幽体全てが癌に至る
それも…存在そのものが……異世界に渡ってまで
同じ存在というだけで癌になる…
それが…癌の1例目と2例目だったという訳だ」
ケイト「ああ
霊体は、この世で構成される人格
経験と時間を経て、この世で過ごした日々と人達の中で、出来上がる心を基に創られる
この世に生まれ落ちる前…お腹の中に居る折に、宿った魂を起点にして」
リヴェリア「だが一つ気になる…
霊体の心は心臓にあると言うのに
何故、魂は脳の方にある?いや、下垂体だったか」
ケイト「それに関しては…心の大元というより外ならない
確かに魂が宿るのは頭だ
だが…この世の内ならではのものがあるだろう?
あの世に無くて、この世には無いものが……」
リヴェリア「!!
なるほど…」
フィン「…心臓か」
ケイト「頷)
体を基に、構成されている
心も、感覚も…命さえも……
だから…霊体の心は、心臓
魂は下垂体、魂の心はその中、と定められている
理で定めたというより…自然とそうなったという感覚に近い」
リヴェリア「なるほどな
やっと合点が行った」
フィン「そんな心無いものの為に犠牲にならなければならないのか?!!」ギリッ!!
ケイト「んな怒られても;(知らんがな;」
フィン「君は…
それでもいいのか?
蹂躙以外何もしない!人の領域を荒らす以外に能の無い!!見向きもしない人の為に!!どうして!!!」