第82章 光芒(こうぼう)
すぐに小狼達が浮かんだ…
そして――ルパン達も
各々に依頼を出した
小狼達に、ケイトの救出を
ルパン達に、証拠全ての盗みを
休暇中に済まない、と謝罪を言って……
気にすんな、と言ってくれた
だが…
フィン「いいや…それ相応の報酬は払うよ
この埋め合わせは必ず!」拳を自らの胸にあてる
そう言い放って聞かなかった
僕は…それに乗る気も甘んじる気も毛頭無いんだ
そんな在り方は、僕の望む所ではない
看過出来ない
だって…僕は、無謀を勇気と履き違えた
目の前で殺されて
僕を守ろうとした両親を、奪われて――
守ろうと走った
求められもしないのに…
走り回った結果…誰からも守ろうともされず、殺される
はずだった――
その助けに…身を、命を、投げ打った献身に…何も感じない程、恩知らずではなかった
あの時から――僕は道を選んだ
自分で決めて…
たとえ茨の道でも構わない、一族に誇りを、勇気を
二人が与えてくれた、助けてくれた恩に、想いに、応える為に――一族の光(フィン)となると!
たとえ小人族が、誰もが望んでいなかったとしても‥この道を生きて行くと……最期の瞬間まで生き抜くと!
二人が生まれ変わって来るかだなんてわからない…それでも決めたんだ
献身には献身を、恩には恩を――僕という存在、命、人生、全てを持って返すと!!!
どんなに辛くても、苦しくても…
母も父も、人へ決して八つ当たりせず、僕だけでも守り抜こうとしてくれた
どんな時だって…変わらずに
愛し抜いてくれた
その愛に…愛で応えられもしない人間が、一番嫌いなタイプなのだと、わかっていた
恩に恩で返さない人も同様だ
そのお礼の言葉だけでいいと、気遣って言う言葉に対して…
鵜呑みにし、本当に何も返さず搾取し続けるだけ、一方的に利用するだけの赤ん坊のような人がいる
礼を言うだけなら子供だって出来る
だが子供でも、出来ることで返そうと、花を詰んで手渡したりだってする
それすらに劣る赤子以下の存在と言ってもいい
だって…動く気から無いのだから――それよりも自分なのだから
「癌」が見るのは――『自分を大事にしてくれる人の献身』ではなく、「自分の願望第一」なのだから
だから「癌」は願い(欲)のままに見境なく暴走し、自分に合わせろと好きに歪めまくる