第81章 結び
裁判が始まって6時間を過ぎた頃、尋問官から詰め寄られる
尋問官「わかっているのか!!?」
ぐっ!!!
胸倉を掴んで奥へ押し付け、光の力が強まる
皺も無く白いツルツルの保定器が揺れ、軋みを上げる
席に限りがある見学席でも、何事か大丈夫かと立席(裁判所に置いての造語、席を立つ行為を指す)し覗き込む人が増える
ケイト「っぅ」顔を苦しそうに歪める
尋問官「このままだと消滅する罰を与えるしかないんだぞ!!!?
そんなにまでして消えるべきだと思うのか!!?
消えたいのか!!?死にたいのか!!?」
拘束官「落ち着k
尋問官「答えろ!!!!!!」
ケイト「いやだ…(ぽつり)
(ぽとっ)←涙が一筋落ちる
どっちも…嫌だ…
消えたくない…
死にたくない…
どんな罰を受けることになったとしても…
それでも…一緒に生きたいよっ」ぼろぼろ涙
会いたい、帰りたい、守りたい…色んな想いが込められた涙が零れ落ちてゆく
『……』
その反応に涙ぐみ、鼻水をすする人も出てくる中
尋問官「はっ!!)←我に返る
済みません…
感情を込め過ぎました」
手を離して頭を裁判官へ向けて下げる
裁判官「いや…結果的に本音を引き出せたのだから良しとしよう」手で制する
保定官「もう処罰0の無罪放免でいいだろ」
黒の神「駄目!何も無しの無罪放免ではダメ!」
裁判官「決を採る!!」
ばっ!!がたたたっ!!
審査官「反対減ったね」反対派4人の内1人
拘束官「そうだな」賛成派
黒の神「模倣犯が出る!
こいつが一番危惧してきたことでしょう!?」ケイトを指差す
拘束官「こいつの場合…どうしても罰を欲していそうだしなあ」
裁判官「念の為聞こう…
無罪放免で帰ることを由と思うか?」
尋問官「無罪放免で帰ることを由と思うか?」
ケイト「思わ…ない…
せめて…罰を
でないと…また、出てきた時に……苦労、させてしまう」
拘束官「こんな時にでも気遣いすんのかよ;」はああっ頭抱え机に突っ伏し嘆息
保定官「被害者いないのに罪ってなんだよ
罰ってなんだよ」天仰ぎ嘆息
水の神「ちゃんと示し付けたいんでしょう?」
真偽官「どちにしても異例の処罰ね」
審査官「事の重大性をきちんと理解しているし再犯性はないと思う」
『確かに』頷く
審査官「でもなんの処罰もないのは許せないって言うし」