第81章 結び
裁判官「静粛に!!」
審査官「ほら怒られたー」
拘束官「お前のせいだろ」怒
裁判官「尋問官」
尋問官「はっ」
裁判官「誰かが死ぬことや消えることはそんなに耐え難いか?
次期始祖神でなくなったとしても」
尋問官「…了解」
拘束官「なるほど」
審査官「何を知ろうとしてるの?」
拘束官「本音だろ
次期始祖神故の重責からか、本人の性格か、どっちか測ろうとしてるんだ」
審査官「おおー!なるほどお!」
拘束官「で…(怒)
お前は被疑者の隣から離れてんじゃねえ!!
尋問進めらんねえだろうが!!
仕事はどうしたオラァ!!」
審査官「あ、ごめーん!
ごめんねえー」
すっ←審査官が着席
尋問官「いや…」
すっ←手をかざす
ケイト「うっ」
尋問官「人の死や消滅は…そんなに耐え難いか?
次期始祖神でなくなるとしても」保定された頭に触れる
ケイト「そんなの…どうだっていい」震え涙声
審査官「え」
ケイト「次期始祖神なんて、要らない
どうだっていい
俺は…誰かが死ぬのが嫌だ
誰かが消えるのが嫌だ
たとえなくなるとしても、どうだっていいぐらい嫌なんだっ
もう…誰も死なないで、消えないで……
そんな私情に、俺は全部を巻き込んだ
次期始祖神なんて、重りでしかない
勤められる訳がない
一杯言われた
お前を大事にしない人を大事にしてどうするって
でもそれでも…消えて欲しくないよっ
死んで欲しくない…
これ以上…誰かが消えるのは見たくない、耐えられないっ!
死ぬのだって同じことだ!!
俺は…もう……誰も…消えるところも…死ぬところも…見たくないんだよっっ(滂沱)
こんな勝手な、私情に巻き込む俺なんて、始祖神になんて…向いてないよおお」ぼろぼろ
真偽官「…」挙手
裁判官「発言を許可する」
真偽官「何がそんなに耐え難いか聞きたいね」
裁判官「許可する」ちらっ
尋問官「…」頷く
同様に純白の光を宿した手をかざし、頭頂部に重ね尋ねる
ケイト「誰かが死んだら、消えたら…
それで苦しむのは、それとは無関係な人なんだ
悲しむのも、苦しむのも、辛いのも…俺は…沢山見てきた
知ってきた…
だから…繰り返されて欲しくない
それがどんなに正しいことであっても……
好きというだけで、消えたり死ぬのも
嫌いというだけで、消えたり死ぬのも
もう…見たくない……」