第81章 結び
裁判官「止められたと思うか?
もし仮に知っていたとして」
尋問官「知っていたとして、止められたと思うか?」
ケイト「……
出来ない…
自分を殺してくれだなんて、俺には出来ない
止められない」
裁判官「だとしても自分の責任だと思うのか?」
尋問官が異口同音に全く同じことを尋ねる
ケイト「……うん
思うよ…
俺がいたせいで…って
たとえ…別の誰かにするような人であっても、その人のせいになんか出来ない!
俺に責任が無いだなんて言えない!!」歯噛み
裁判官「ふむ…
怨霊が悪いとは思えんのか?」
尋問官「怨霊が悪いと思わないのか?」
ケイト「怨霊が……悪いことをした…とは思う
それでも…
俺には…出来ない
俺が止めなかった
その選択で…現実になってしまったのも事実だ
その選択をしたのは俺なんだ
責任は…俺にもあるんだ
それまでの時間を費やした全てを、その証である術式を、俺の勝手で無にした
元から無いことにした
そうする為には…闇の力しか無かった
ケイト『(ある――1つだけ!!方法が!
でも…それをしたら
迷ってる間は無い)』
そうしてでも…守りたかった
俺さえいなければ…しなかった
神の力さえ奪えば発動しないと考えていた
神の力さえ無にすればと思った、だが…間に合わなかった
既に力は注ぎ込まれた後で…残されたそれは、囮に過ぎなかった
それを滅した所で、発動した術式は止まらなかった
それごと滅さない限りは…あいつの中にある術式ごと、時間ごと、消さない限りは……
あいつの中の闇を、滅さずに…消滅させるなんてことは出来ない!!!
怨霊でも、何でも…関係ない…(涙)
消えていいものなんて、一つも無いのに
俺の我が儘で…勝手な願いで、消してしまった
誰も…守れなかった
守りたかったのに…何も……」
ゴンッ!!←拘束官がケイトの頭頂部を殴る
裁判官「拘束官!!」
拘束官「……済みません」
裁判官「席に戻りなさい」
拘束官「はい」
すたすた
ずかっ!!←椅子に荒々しく座る
裁判官「そのことについてどう思っているか知りたい
尋問官」
尋問官「そのことについてどう思う?」
ケイト「俺は…きっとまた、何度でも同じことを選ぶ…
今回は…俺が世界全体に及ぼした闇の力の影響で癌化したり消滅する人はいなかった