第81章 結び
裁判官「光の力でも出来たはずだ、だが何故しない?」
尋問官「何故、光の力でしなかった?」
ケイト「光の力を使う道もあった
でも…私の場合、力が強過ぎる
どんなに押さえ込んでいても、全く浄化されないなんて出来ない
幸せを、成長を願っている限り…無意識にでも浄化してしまう」
裁判官「確かに」頷く
ケイト「私が浄化してしまったら、闇でなく光でしてしまえば、成長の機会を奪ってしまう
そんなの…耐えられないっ
闇の力でないと無理だ…俺の願いを叶えられない」
裁判官「その願いとは何だ?」
尋問官「その願いとは何だ?」
ケイト「消滅…しないで
消えないで」
審査官「殺されても?
消そうとしてくる人であっても?」
尋問官が裁判官を見やる
裁判官「…」深く頷く
尋問官が同様に尋ねると
ケイト「それでも…いい
俺は死んでも、消えてもいい
どうなったっていい
誰かが、消えるのが耐えられない
死ぬのが耐えられない
誰であっても、何であっても…変わらない
何をしてこようが関係ない!
全て守りたかった…
始祖神から次期始祖神だと言われて、消えるって言われて
死ぬって、言われて…(涙)
始祖神が遺してくれたものなのに、産んでくれたものなのに…全部守りたいのに……全部遺したいのに……
何も…また……守れなかった」
悲嘆に暮れる言葉と涙に、一同は言葉を詰まらせた
審査官「それって急に言われたの?」
同様の流れとなり、尋ねるとケイトは小さく頷いた
審査官「それって…驚いちゃった系?
元から大事に想ってた系?」腕組み頭を捻る
拘束官「元からだろ、十中八九」
真偽官「癌ではないよ、この子
つまり…元からね」
裁判官「静粛に!!」
かあんっ!!
裁判官「事の流れについてどう思う?
尋問官」
尋問官「今回の事の流れについてどう思う?」
ケイト「きっと何度でも繰り返してしまう…
俺は消えた方がいい
俺が存在したから、怨霊に消滅する道を選ばせてしまったのも事実だ」
拘束官「ふざけるな!!!!
…‥(はっ)
済みません」がたっ←着席
裁判官「尋問を続ける
自分に責は無いと思うか?」
尋問官「自分に責は無いと思うか?」
ケイト「無い訳ないだろ!!?
俺は…俺は、止めなかったんだ
動かなかったんだ…俺の、せいなんだ」