第80章 願い
余波に至るまで全てを御し切った
同じ魂でも…育った環境、時代、世界に応じて、人格は異なる
前世や前々世と同じように…全く同じ人格等、一つとして無いように……
だが…その閾(しきい)さえも越え、歩み寄った時…
【一つ】となる…
想いも、心も、意思も…魂をも…一つの力として、想いとして、完成した
それが――『融合』であり、【『脈動』】
と、いった所までが流出していた…
原初の神が自然と、ケイトの魂の力と同じ分だけ出していた
だから額の紋様が、白い円状の光ではなく、紋様が浮かび上がった
宿った原初の神を示す紋様が――
浮かぶ紋様は――『魂の証』だから
元々浮かんでいたそれ(原初の神分)と…
原初の神として目覚めた原初の魂分…
それらが、宿った神々をも『一つの鼓動』として重なり、呼応し合い、高鳴り、『脈動』する
『瞳(ひとみ)』のみが力強く瞬き、純白に光る
黒目の輪郭を除いて、虹彩も瞳孔も強い光を宿し…眩しささえも与えない『一塊の光』と化す
『下垂体』という…『魂』のある位置…そこのみに宿ったことで…
視交叉を通じて、瞳から漏れ出ていた『光』…それが、『瞳のみ』に留まった
それ以外の力は、身に宿ったまま…僅かさえも外へは出ないようになっていた
力ごと『全てが一体と化した』
その証なんだという―――――
額に浮かび上がるのは、憑依される時ぐらい…か、力を貸してもらっている時ぐらいだろう
だが…原初の魂と原初の神は全く同じ、唯一無二であり同一の魂(存在)でもあるので…
思考も、想いも、感情も、その全てが元から同じなのだから…自然と混じり合わさるのだという…
当然と言えば当然か…僕等でもそうする
貸し与えているのではなく…
同一の存在だからこそ、同じことを思い、同じことを考え、同じことをしようとし…
結果…力を出そうとする際に、同じく出そうとする
これもまた――必然
避けられない定め
同一の存在であるが故の宿命―――
【『瞳(ひとみ)』のみが力強く瞬き、純白に光る】のは―――――『想い』が重なり(合致し)、下垂体内で『力(紋様)』ごと『魂』が全て一体となり、【『脈動』し合っている証】
『己が身』ごと、端々に至るまで【一つ】となっているからこそ…【力む必要も集中させる必要も無い状態】とも言える