第80章 願い
たとえ神として完成した魂であっても、原初の神には遠く及ばない
本気で力を発したとしても…眼下さえにも至れない
だからこそ、混じり合った状態でも一線を画す程に強かった
だが――今回の御業、『脈動』により、完全に『鎧袖一触』を極めた
原初の神と、原初の神として完成した原初の魂
原初の神同士の力により、力ごと全ての一体化が可能となり
単体で、原初の神の域を遥かに上回り、逸脱した……
ここまで書いておいて、結局の所何が言いたいのか?
なんて思うだろう
では…本題に戻ろう……
瞳孔のみを、目を光らせたまま、激昂のままにロキの首を締め上げていく光景を見てくれ
どうだろう
ものの見事までに、力を完全に制御し切っている
シルに変身中のヘルンは隣で満面の笑みで拍手を送り、フレイヤはもっとやって♪とばかりに大はしゃぎ…
そう…誰一人として止めようとするものもいない、カオス状態に突入していた……;
幸いにして…問題となっているのは、その喧騒だけであって、それ以外に実害も何も無いということだろう
血気盛んな若者が数多くたむろしているからか、止める所か誰が止めに入るかで賭け事まで始まる始末だった…;
その有り様に…瞠目し、それからすぐ……天を仰いで、神に祈った
こればかりは
心底
本気で…;
それぐらいに逸脱していた;酔っている客同士の喧騒とは最早言えない;
早く止めてくれ、とばかりに店主のミアから睨まれている
ので…やむなく
止む無くであるのだが…;
止めに入った;渋々;←肩落とし、がっくり項垂れる
はあああっ;←嘆息
なんで誰一人として動かないんだ…;
ああ…そう言えばリューは、長期休暇を貰う前の最後の仕事ということで買い物で外に出ていたね;
結婚式を挙げた後、新婚旅行に勤しむ気でいる
日程としては…11日で世界旅行を終わらせる気でいる
その道中でも何かあるのかな?
ああ…騒ぎを聞き付けてレイとラーニェも来たね
アルテミスと迷宮は…まだダンジョンか
明日からの日程を伝えたいのだが…仕方ない
出てきてから通知を読むように注意付きで送ろう…
アルテミス・ファミリアの団員がダンジョンへの観光客を案内していた
その仕事に、たまには主神らしくしないと、とアルテミスが付き添い…迷宮も「面白そうだから付き合う!」と…