第80章 願い
それを正しく認識出来ない
そうさせる、強制的に歪めさせる
存在するだけでその不浄を齎し、歪みを与え、そう周囲に行動させ続ける
それこそが癌――
そんなもの…どうやって防げと言うんだ?
酷く…冷たい、暗く沈んだ目をしていた
フィン「……ケイト」
これは…一個人としての意見だ……
重苦しく口を開いた
君を抱き締めて…
フィン「君に今必要なのは…休息でも、安らぎでもない…
理不尽に、きちんと怒ること、哀しむこと、それに寄り添うことだ
君は…もう少し、自分に寄り添ってやってくれ
人が、自分勝手に自分に寄り添って好きにやり続けていく中で…
君は…いつだって……自分に寄り添うことを蔑ろにし続けている
その他大勢を傷付けて回る癌ではないのだから…もう少し自信を持っていい、ちゃんとぶつけたっていい
自信を持ってくれ
どうか――泣くことを、絶やそうとはしないでくれ
どうか―――消えないでっ」涙目
ケイト「消えないよ…
消えるもんか
お前を置いて…←腕回す
消えるもんか…!」瞑目ぎゅうっ!!
フィン「言質は取ったよ…?」くす
ケイトは…自分個人の認識を、押し付けて回ることもしない
その時点で、歪める行為を、人に求めることはしていない
そもそもが…理解を求めるのは、不当を正当と歪める認識の歪さ、癌という行動を取るべきでないという……その方針、あの世の規定…決まりであり、存在を許される上での約定だ
それを違えたものから、咎は重なり、積み上がってゆき、消える要因を自ら作り出すことにまでなってしまう
その全てに…責任を感じる必要なんて無いのに……
君は…責任を感じてしまう
それを理解しているものとして…だから、それを避けたかった
だから伝えた…伝えるだけに留めて、本人達の選択に任せた
信じて――
それさえをも、逆手に取って…癌だと歪め貶める為だけに教えられた知識を流用し、徒に痛め付け続けるのならば……消える程の罪を身に負って当たり前、余りある内容となるのは、必然のこととも言える
だと言うのに、それに気付かない振りをして、自分のやりたいようにやりそれを善だと歪める為に、真実をも自分に都合よく歪める
そうやって咎を増やしに増やし続けて…消えてゆく
そんなものに…痛む心等、抱くべきではないのに――決して