第78章 火の都
人間は生ものだ
死なないはずの怪我でも、簡単に死ぬことだってある
子供なら尚更だ…僅か、7歳にも満たない幼児ならね
即死だったはずのそれを、何とか今際の際に会話が出来るまでに繋ぎ止めてくれたのがアミッドだった」
ケイト「いや!初耳なんだけども!!?;」
フィン「経緯は知っているよ
自力で調べてね……
だから…余計なのかな…
納得がいかなかった
何の処罰も食らわなくて、汚名も罪も何も与えられなくて、怒りも向けられなくて当たり前だと、そう明け透けな癌達の態度がね?^^」
癌達『………』
フィン「やはり、知らなかった…か)
ふうううううっ(深々嘆息)
自分のやりたいことが達成出来て、君達はさぞかし満足なんだろうが…
巻き添えにされて死んでいった者達、殊更遺族への配慮が欠けていた、なんて次元を飛び越えるぐらい…身勝手が過ぎた……
神フレイヤ達にも、アイシャ達にも、ね……
恩恵がなくなってアマゾネス狩りの際になす術も何も無いとわかっていて、護衛も何もせずに大事に想っている等と戯けたことを…
よくもアイシャに言えたね、更には力を借りて申し訳も抱かずに使って……まあこれは置いておこうか
より深刻なのは…他にいる」
ケイト「え?」
フィン「眠れない子供達は…父に連れられて、楽し気にはしゃいでいた
歓楽街の明かりに、昼のように騒がしく、楽し気な声に…手まりや遊びにかまけて楽しんでいた
すっかり夜も更けて、うたた寝しかけていた頃…急にそれは起こった
さっき言っていたことが…
パルゥムの親子は、無事、帰っていったよ……
精神的に参って、病んでしまった
妻の治療の為にもね
一人残された孫を連れ、遺骸を抱えて、故郷の地で弔う為に…旅行なんてしている場合じゃなくなったのさ
その残された方の孫、男の子は…お兄ちゃんに、庇って、守られたのだからね
宮殿で癌が起こした爆発、それによって飛ばされてきた破片から
目の前で深い傷を負い、脳みそが一部出て、見る見る青ざめ、蒼白になり、弱っていき、アミッド含め4人の目の前で亡くなった
視界に拡がる赤く滲む世界、出血多量で、最後に会話できたことが奇跡だとも言われていた
君がまだ入院していた頃だったかな?
アミッドには…随分と無理を強いてしまった
謝礼としても色々と便宜を取り計らったんだが…