第76章 冒険者依頼(クエスト)、来訪
時間にして…僅か数瞬…
僕の目にははっきりと攻防の瞬間まで捉えていたが…
エルは違ったようだ
何が起こったのかわからない…
そう、彼の態度が示していた
ただ一つ――言えるとすれば
『次元が違う』
それに他ならないだろう
それは精霊王たる亀もわかっているようだった
一瞬、精霊の森の守り人ならぬ、精霊の海の守り人かとも思われたが…
違う
そう、強く感じさせられた
それから自己紹介が始まった
ケイト「私はケイト。
ケイト・グレイロア・ディムナだ」
エル「私はエルといいます。
此度は助けていただき、ありがとうございます。感謝に堪えません」
フィン「そんなにかしこまることはないよ?」
ケイト「そうそう!困った時はお互い様だって^^」にこっ
求めるものではない、とばかりに笑ってくる始末
フィン「僕はフィン・グレイロア・ディムナ。
見ての通り僕達は夫婦でね?
ケイトの夫だ」
エル「!そうだったのですか」
心なしか残念そうな表情を浮かべるエルに、僕は思った
よし!フラグはへし折ったぞ!!!!!(ぐっ!!!!!)←どことなく力強い声
亀「ワシはオルガナ。
海の精霊界の精霊王じゃ、精霊神でもあるぞ?」
エル「私達はムー連邦という国のものです」
フィン「ぴくり)
ということは…君は王族か?」
エル「はい。
次期国王を、と推されております。
今はお爺様が政権を…」
ケイト「ということは王太子…」
フィン「へえ。
僕は…王配。女王の夫だ」
エル「女王!?
ということは…」ちらっ
ケイト「神国の女王だ。よろしくな^^」にこっ
エル「!!!?;」さああっ
不敬だったではないか、国際問題?!とばかりに血の気が引き、真っ青になっていった。
フィン「そう気負わないで楽にしてくれ」
ケイト「そうそう!
王族同士、かたっくるしいのは抜きにしようぜ?^^」
フィン「君はもう少し自重してくれ…」じと目
ケイト「え…;」
エル「ぷっ!
あっはっはっはっはっ^^」
オルガナ「エル…報告を先にせんと」
皆が戸惑っておるぞ、と鼻先でエルの肩を押した
全長500mはあるだろうか
でかい大亀に、エルは怯むことなく笑顔で頷いた
エル「僕の国を紹介します。ついて来て下さい」
先程とは打って変わって微笑し、先導してくれた