第76章 冒険者依頼(クエスト)、来訪
いいか?
癌への想いは全部捨てろ
ケイト「………わかった……
二度と、助けたいだなんて思わない
約束する」真剣
真剣な表情で、はっきりと言い放った。
ずっとずっと悩んでいたのだろう。
だが…ようやく、腹を決めたらしい。
フィン「嫌に素直だな…もっと渋ると思っていたよ」
ケイト「いくら渋った所で、帰っては来ないからね。
もう、覚悟は決めたよ。
あいつらが消えたままでいようが、その可否(良し悪し)は、責任は…全て、本人達自身にある。
私が、逐一責任を感じる必要なんてない。人や物事のせいに出来る奴等に関しては、特に」真剣
フィン「ああ…
(目の色が違う。
これが…本来の、縛られない状態での、ありのままの君か」ごくり
見たことの無い程の、純粋な、真っ直ぐな眼、真剣な表情に…僕は思わず唾を飲み込んだ。
今も君は戦っているんだろう…
自身の中に眠る、様々な想いと、弱音と……
もう無理
もう嫌だ
もう限界
しんどい
そんな弱音との戦いを、僕は見た。見ていたんだ…
人生は…努力と辛抱!諦めるか…!!
そう自らを鼓舞し、奮起する姿勢も…
腸管から出血する程に思い悩み、それ程に癌の消滅を嫌がった。
だが癌は、自分で自分を変えようとはしなかった。
よしんばしたとしても、その本質を見誤った上で、間違った変化をした。
だがそれでも認めなかった。いいように動かしたいだけだと言って聞かない世界までもあった。
追い込まれる一方で、何も感じなくなった時もある具合だ…
その凄惨さは、酷(こく)さは…今のケイトの態度が物語っている。
本当に…今までで、初めて見るぐらいなのだから……
どんな目に遭わされても…
それでも、生きろ、生きて償えと、決して死なせないように立ち回っていた。
それを撤回する程に、癌は、相手が悪かった。
それだけの話だ…
なのだが…おかしい。
ようやくか、という安堵もある。
だが…
まだ一つ、どうにも腑に落ちないことがある。
フィン「……ケイト…後悔は?」
ケイト「無い!(きっぱり)
やるだけやった。諦めなかった。
なら背負って、次に生かす!それだけだ!
もう切り替える。それしかない!!
もう二度と…繰り返させない!出させない!!神国からは!!絶対に!!!」メラッ
なるほど、新たな目標か…