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Unlimited【ダンまち】

第75章 神器、覚醒





ケイト「だから――諦めない

結果が悪かろうが、よかろうが…変わらないよ
そこはね?

それはそれ、これはこれ…


話は別だろ」

真剣な表情で、真っ直ぐに前を見据えていた


癌にとらわれるな
そう、言った

自分の身の為にも?
僕等の身の為にも?

何を言っていたんだ?僕は


いいや…早い内にはっきりさせておいた方がいい
どちらにとっても…

先のことを見据えて、それでも…と囚われていたのはなんでだ?

決まっている――僕等のことを想ってだ
他の、喪って、それでも…わからないでいる、正常なように回り続ける…それを悼んでだ――


来る日も来る日も言い続けたのも…

誰かの悪口をまともにも言えない君が
腸から血が出る程に辛い想いを抱えながら、思い詰めながら、
それでも諦め切れずに、考え、理解しようとしたのも…

何も残せないものの為に、やっていただけではなかった……



フィン「ああ…そういうことか……‥

済まない…
全てまでは、理解できていなかった


僕は一体…何を理解した気でいた?

何で…そう思った?
何故――その可能性にまで、頭が回らなかった?」
ケイト「いや、誰でもそんな時あるし」

手を自身の眼前で横に振り、さらりと言い放った

それでも――
それでもだ…


自身を、責めずにはいられなかった



君は…僕達との未来を守りたいだけ
僕達を失ってしまう前に…
誰かを失ってしまう前に……

失ってしまったこともわからず、回り続けるそれに…
誰よりも、危機感を抱いていた


気付いた時には消えていた――そんな未来は、嫌だから

誰もがそうだろうと――
そう、危惧して、やまないからこそ―――



君の想いの深さを読み切れていなかった


誰の悪口も言わない君が、それ程に言っていたのは…
正義感?命を、喪った側を、軽く扱ったから?それを何の罪も無いものとしたから?

いいや、違う…



君はただ――誰もの存在を、無駄になんて、そこで終わりになんて、失ってしまうなんて、させたくなかっただけだ



フィン「……浅はかだったのは……僕だったのか?」

去来した想いに、唖然としながら、ぽつりと声が喉から出た


ケイト「フィンは――浅はかなんかじゃない

私のことを、皆のことを、全力で考えてくれての言葉だ(真剣)
お前が侮辱するな!!」憤怒


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