第75章 神器、覚醒
リヴェリア「ああ…
真っ当な意見だ…
だが、それだけではないだろう?」
フィン「?何が言いたいんだい?」
リヴェリア「……癌は、それだけではない。
仕方ないと、
死んだ命、事態に対して、扱ってみせた
そしてそれを…些末なこととして、再び繰り返し続けた」
ティオナ「あ!知ってる!
そういう風に、自分で防げたのにって悩んだり、こたえていないと、
怨霊になって憑りつかれるんだよね?ずっと傍でべったりと!
私、神様になってから見え出して驚いたよ!
不思議なことに…私にもティオネにもリューにも全くついてなかったんだけど」
アイズ「そこは…ちゃんと、命として…重く捉えているからじゃ?」
ティオナ「あ!そっかあ!
ありがとう!アイズ^^」
アイズ「うん…」くす微笑
フィン「まあ兎も角…その話は一度置いといて」
リヴェリア「私は、フィンの私見とは少し違う。
「事態を、命を、重く見ていないこと」に問題があると思う」
フィン「ああ…全ての発端となる点についてだね?」
リヴェリア「そうだ――
あれが、あれこそが、全ての始まりであり
「終わり(世界の終焉)(存在全ての消滅)」に導く『根源』に見えて仕方ない」
苦しそうに顔を歪め、俯くリヴェリアに…僕等は頻りに頷いた。
ケイト「「仕方ない」なんて…
「要らない」ってのと、一緒じゃないか……
「居なくなったっていい」って言ってるのと、同じじゃないか
「仕方ない」なんて、なんのあてにもならない話はやめてくれよ
「どうでもいいこと」みたいにさ…」ぎゅうっ
縋るあてもなく、拳を握り締めた
部屋の片隅、どう在っても蹴られない場所、邪魔にならない場所でしか、安心できなかった
誰にも縋り付けなかった
泣き叫べなかった
泣き叫べば殴られる、姉や母まで巻き添えを食う
自分なんて要らない、死ぬ以外要らない、
もっと苦しめばいい、痛めばいい、それが楽しいんだ、嬉しいんだ、皆笑ってる、最高だなあ
そう、笑うケイトの姿が、想いが、見えた…
アイズ「ケイト…」すっ←手を伸ばそうとする
そっ←リヴェリアがアイズの肩を掴んで引き留める
ふるふる←振り返るアイズに対しリヴェリアが頭を振る
ケイト「私は…割り切れねえよ……
だから守ろうとした…
守れなかった……
それは、私の罪で、咎だ……」