第75章 神器、覚醒
その指差す先を目で追って、今の場所を考え、わかった
フィン「確かにあそこなら人の手も精霊の手も介さないで済むし、何より2人きりになれるね」
リヴェリア「?だがあそこは…
ああ、そういうことか」顎に手を当てて考え込み納得
ティオナ「も~、勿体ぶらないで教えてよ;」
アイズ(激しく同意)こくこく!!←真剣な表情で大きく二度頷く
ケイト「ふふっ…そこはね?^^」
世界樹の連理木がある←3099ページ参照
それはここ…元領主邸、王宮にもある
王宮の中心にある中庭の異空間にあり、精霊界特有の空気を醸し出していた…
観光スポットとしても領内、いや、国内で最たる人気スポットだ
水が散りばめられ、光が上から「薄明光線(光芒)」の如く降り注いで、神々しさと厳格さの双方を遺憾なく発揮している
「薄明光線」とは、雲の隙間から太陽の光が漏れ、放射状に地上に降り注いで見える現象で、「天使の梯子」と呼ぶ人もいる
世界樹の連理木の中でも、王宮の白い壁も相まって神々しさを増した結果…『神域』とも呼称されており、絶大な人気を誇っている…
『神域』として、出入りを制限…なんてことはなく
神国に入れたものは誰でも立ち入り出来るよう、体制を整えている
まあ、だからこそ、あれが作られた……
人が溢れ返り過ぎた結果、皆が困らないように、と思っての末に出来たものだ…
『空間トンネル(3329ページ参照)』
ケイトが作ったそれは特別製で…
神の力を持ち使えるもの以外、誰も出入りは出来ない場としている
つまり…アリアを復活させた後、2人きりの時間を思う存分堪能できる、という訳だ……
最初こそ…親子2人の時間を取り戻せるように、と考えた結果だが…
交通の便をより良くし、最速化や事故の防止にも携わっており、今や欠かせないものとなっている
実は…遠征から帰ってくるまでの間に作っておこうと、あれやこれやとやっていた…←3633ページ参照
2人きりや、1人きりになりたい時ってあるよね…
そう考えて、予め作っていた…
うまい具合に転用できただけであり、当初の目的はそっちでもあった…
王宮の連理木の調整を、精霊王の森に行ってからやたら事細かにやっていたのはそれでか。
そう、狙いが透けて見えて…
僕はそれに笑みが止まらず、ケイトに満面の笑みを向けていた