第75章 神器、覚醒
王宮に関してだが…
以前、領主邸の頃から、『水の王宮』と名高かった
市壁の高さは全て15mだが、そこから一望できるぐらい王宮から無色透明な水が流れ出ていることからだ
建物は幅8m高さ1mの水の堀で囲われており、それが王宮内で常に循環していた
暑い時は冷たく、寒い時は温かくなるよう魔術式を組んでいる
王宮の地下にはシェルターの他に、堀から水を取り込む貯水槽があり、
浄水してポンプで最上階に汲み上げ、また順々に階の全てに循環させている
各階毎の壁と床の厚みは2mもあるので、その間にも流し、
通路にも階段にも流しており(両端8cmずつ)、至る所で水が流れている
水が通路や階段に出ないよう、出ても戻るよう高低差を付けて徹底している
それを見た訪れた人達が口々に、国賓に至るまで、オシャレだと騒いでいた…
だがこれは、ケイトがどうしてもしたいと言ってきた為であって…狙ってやった訳ではない…;
風流だな、とリヴェリアからも受け入れられており
それを筆頭に、全員から受け入れられ、その形式のままここまで来ている
壁は固く、内側の水は柔軟な為、防音にも衝撃吸収にも役立っている
水音が心配ではあったが、通路のそれは規模が小さいお陰か水音はせず
壁の中で流れる音は耳を付けない限りは聞こえず、お陰で熟睡できている…
しかも、その水力で全て自動で動くようにも設定しており
仕掛け扉、様々なギミックの動力源となっており、魔力や神力の消費削減に携わっている
自動ドアなんてものを作り上げた時には驚いた…
通路の端であることからドアの前にも水があり、それをセンサー代わりにして開くという仕掛けだ…
よくよく見ると、水が流れ込む穴があり、そこを起点に両端に引っ張られるという仕組みのようだ…
勿論、ちゃんと入れる前に相手を選んでおり、立ち入らせないものの分別にも使われている
他のものが入ろうとすれば、自動で水でバッテンマークを作って進入禁止エリアであることを示す
それでも強引に入ってこようものならば、下記の通りになる…
王宮の堀の水は、害意を抱くものがあれば入れさせず
中に入ってから害意を抱けば、至る所にある水が自動で窒息させる等の迎撃、かつ拘束する機能も搭載している
その為、安心して過ごせる…
やり過ぎだと思ったが
それぐらいでちょうどいい、と流された…;
