第74章 融和

癌とは…誰しもが、『内』に秘めている。

気付かないだけで、
染まるか染まらないか、日々戦っている。


自分にとってだけでしか見られず、全て正当化して正しいと思い込まないかどうかを試されている…



僕が目を細め、優しく問い掛けると

やはり、ケイトは頷いた
一応だが、アルとディは泣き疲れたのか胸の中ですやすやと眠りについている…


リヴェリア「！あるのか？

てっきり…」

ケイト「紛らわしい言い方をして、ごめん。
そこで、可能性を示せればって言ったでしょ？

これは最終手段に過ぎないんだけど」

椿「人が悪いぞ。
そんな手段があるのなら先に聞かせてもらってもよいというのに」

オッタル「……問題があるのだな？」

ケイト「…うん」

『！』


フィン「でも…それでは、彼等彼女等がいたという記憶が、歴史が、消されてしまう。

そうなんだね？」

ケイト「うん」

椿「ええいまどろっこしい！
内容を説明しろ！訳が分からんぞ！；」


ケイト「順序立てて説明する。

魂ごと消されるというのは、さっきも言ったように記憶と歴史ごと存在そのものが消されるということ。
で、世界神様と時空神様がその帳尻を合わせて、現在に全く影響が無いように、現れないように調節してくれるんだ。


で…それを無いことにするには、それに抗うだけの力がいる。
でもそれをすれば、逆に私一人が消えてしまう。する為にはそれだけの力が必要だから。

けど、それ以外の方法が一つだけ…



この世界にいる皆の記憶から、彼等彼女等がいたというそれは抹消され、消える。

でも、彼等彼女等は、その世界で生きていられる。
変わらず、今までの時と全く違いなんて感じないままで…


無に、ならなくて済む方法…それだけだ」

椿「そうか…」

アイシャ「ぬか喜びさせるんじゃないよ、全く…」


ケイト「……彼等彼女等を、皆の記憶を、歴史を、守るなら…

どうしても守りたいのなら…
私は、
アイシャ「馬鹿なことを言うんじゃない！！！！

その先を言ったら殺すよ！！！？
そんなことをしてみな？どこまででも追い掛けて叩き倒してやる！！！！！！！！・・」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

ケイト「ごめんなさい…；


……

ありがとう…
私と、生きる道…選んでくれて」

リュー「当然です」

アスフィ「いつものことです」微笑