第73章 キルアの冒険
手前勝手な正義
自分中心、自己主観でしか見れない杓子定規
人のそれにより、他の人生を大きく狂わされるなんてことはよくある…
ケイト自身、ああなるまでに…
酷く、凄惨な、残酷な想いをたった一人で耐え抜き、事実…見事なまでに狂わされてしまっていた…←689ページ参照
人の人生を振り回すほどの傷を与えた試しもない。
その家族にも、本人にさえも…
そここそが境目なのだろう…癌となるか、否かの……
フィン「…具体的に、何があったのか詳細を聞いても?」
ケイト「えっとねー…
ウィーネっていう異端児がいてね?
暴走させられてダイダロス通りに出て、それをフィンが槍で壁に縫い留めた。
それを追ってたベルが、ウィーネを守ろうと「これは僕の獲物だ!」ってフィンに威嚇攻撃した。
フィンは屋上に立ってたから、その足元に魔法撃たれたんだけど
フィン「子供の我が儘に付き合う必要は無い。
市民の安全が第一だろう?
守るにしても、助けるにしても、人気のない場所に誘導して処理するのが自然だ。
袋小路に追い込むなり何なり方法はある」真剣
キルア「まあまだ話には続きがあってさ…;
ウィーネに攻撃したしてないに関係なく、しようとした冒険者へ魔法で攻撃したんだよ。
問答無用でさ。
ウィーネと一緒になって暴れ回った。
で…その時のが問題になったんだ」
フィン「?話が見えないな…
市民や冒険者が、ベルがウィーネと一緒になって暴れ回ったことによる被害への賠償や責任追及でもしたのかい?
それとも…被害者の会の如く、多勢で組んでベル一人へ糾弾したか、裁判沙汰に?」
ケイト「違う違う;
一番の大問題は、心の『傷』だよ」
そして説明されたのが…以下の諸事情だった。
オラリオのダイダロス通りには、一人の男性冒険者がいた。
彼には妹がおり、
両親を亡くした2人は力を合わせ、それはそれは慎ましやかに暮らしていた。
両親を亡くしたのは2年前…彼が14歳、妹が7歳の時のことだった。
いつも通り、モンスターも寄り付かない街から程近い崖近くで山菜採りをしていた所、
崖の上で冒険者と共にモンスターが暴れた影響か、大岩の落石が起きた。
それから守る為、両親が彼と妹を突き飛ばし、それにより両親は潰され、血と共に父の右腕が千切れ飛んだ。
妹だけが、その頬に、両親の血を浴びた。
