第73章 キルアの冒険
『過熱』
物質の相変化において、状態変化するべき温度『以上』でも変化しないでいる状態である。
たとえば液体が加熱され、沸点を過ぎても『沸騰せず』、『液体の状態を保つ現象』をいう。
水であれば100℃を超えても沸騰しない状態を指し、衝撃を与えると『突沸』し、急激に爆発的に沸騰する。
火山でたとえると、過熱は噴火直前の状態、突沸は噴火のようなものだ。
その逆、『過冷却』という現象がある。
同様に液体のままで、
衝撃を与えると急速に結晶化し、爆発的に凍り付くというものだ。
エンドを撃つまでの時間稼ぎである例の水による分身(3638ページ参照)は、自立思考で動いて技を使用したり直接攻撃してくる。
その分身の中身である水を、上記の2種類のみにし
しかもそれを覆う水は、『近距離の直接攻撃でなければ衝撃を一切受け付けない』とした。
その為…非常にやり辛い。
しかも、水分子のみで構成された『純水』だからか雷を一切通さない。
風の攻撃でさえも鎧さえも貫通せんがばかりだ…
水は蒸発する為に触れているものの熱を奪う、
その効果を顕著にしたのが凍結だ。
空気よりも音を通す。
周囲を音も共に感知する際使う、水の全く無い場所は無い。
それにより僅かな変化も微動も全て感知され、即座に対処される。
他にも、
水を応用して毒・体内にたまった毒素を排出させる、
水の浄化作用を強めることにより悪い負のエネルギーの浄化、等々…
応用は非常に幅広い。
本来ならば…相反する力同士を均一にお互いぶつけ合えば、消滅するのが世の理。
だが…そうは問屋は下ろさない。
その理以上の力、すなわち神の力により起こされた現象なので、
世の理よりも優先され、実現される。
ケイトの場合、それらの現象を水蒸気の状態で起こしており、
∞度から僅かでもマイナスに行かないよう徹底した『過加熱水蒸気』と、
-∞度から僅かでもプラスに行かないよう徹底した『絶対零度水蒸気』とし、
双方共に気体であり、ぶつかり合えば必ず、どちらかに偏るか、拮抗すれば消滅する。
その『消滅』という現象のみを無効化させ、
過熱水蒸気は『爆発』のみにし、爆発による『防壁』と『絶対零度水蒸気の推進力』に転用、
絶対零度水蒸気は『凍結』のみにし、『全方位同時攻撃』と『周囲への隙間ない展開(弾幕)』に転用した。
