第72章 真相
神の域に達した際の特徴として、
魂が持つ色自体が認識できなくなる程、光の強さが顕著だという点だ。
光(プラス)であっても、神の域かそうでないかで分かたれる。
光色、闇色のものだと、
プラス、マイナスの極地との見分けが非常に困難だが、
そこは魔力金属に、一定の閾(しきい)を越えれば報せる魔術式を刻めば万事解決らしい。
魔力金属は、魔力の塊であり、いくら流し込んでも壊れないよう作られた、物質以上の密度を持った超高濃度エネルギー体だから。
黒は、エネルギー体が物質と同程度の密度にまで圧縮されたサイン。
元から黒色の人もいるが、同様に魔術式で見分け可能。
そして発光に至る訳だが…万物共通、プラスかマイナスに光る。
光らせる当時の精神状態に密接に絡んでおり、プラスかマイナスかで変わる。
その際、元の色は認識できない。
だが、神の力に至ったかどうかまでは魔術式を介さなければわからない。
理というルール上、密度の最大限界は黒なので
発光したその時点で理を越えた=理から外れた=神の力とも言えるが、擬似的なものなこともあるので一概には言えない。
現段階でわかることはと言えば…
魂(これまでの全ての経験から作られた人格)の意思と、
霊体(現世での経験のみから作られた人格)の意思、
それらが重なり合い、共鳴し合うことで互いをブースト(増幅)させ
『魂の力』をも引き出す発端となり、力の顕現に至るということぐらいだ。←1461ページ参照
それに伴い、これまで魔法を介さなければ出来なかった神の力の解放を可能としたのだろう。
魔力にも限界量があるように、
体にも、この世のありとあらゆる物質にも、限界量が存在する。
魔力を集中させて自己強化するのにも、それぞれに応じて一定の密度までという限界が生じる。
これ以上集めれば自己崩壊、内側から爆発するという事象だ。
それは各個人によって異なり、小柄であればある程、少ない用量で効率的に強化できる。
ただし、その限界量はいずれも鍛練によって変わる。
幾度も少しずつ増やしながら負荷を掛けて強めていくことで、最初は無理だった量でも耐えられるようになり、最大量が増えていき、自己強化による恩恵が跳ね上がるという寸法だ。
常に限界量ギリギリを見極め、鍛練を重ね続けることで、とてつもなく強化される。