第72章 真相
リンパ節は化膿した傷の近くで痛みを伴って腫れることもある。
潰瘍から出血したことが要因。
それまではリンパ節に腫れもしこりも一切なく、それは家族皆で確認済み。
毎日不安症なのもあって、確認してくれーと不安に駈られれば即座に私や姉に見せてくる、そんな状況が功を奏していた。
だが医師は、半年前からあったという風に、過去を改竄する。
医師による鶴の発言で強引に。
それ以外の訴えは聞く耳持たずで話にもならず、子宮全摘の件もあり、大学病院への信頼は地に落ちる所か、マイナスの次元を突破した。
「満足のいく説明をしているほど猶予のある状況じゃないんですよ」とも言われたが、
本当にどの口が、だ。
手術してもしなくても、癌を見落とさなかったことの方が利益になる。
いくら伝えられようと、それ以外の経過で邪魔になるものは全て、一笑に付されて終わりだ。
そして癌関連で共通するものがあれば食い気味に飛び付く。
更に、紹介状では癌としか書かれないのでこれ幸いとしかとらえていない。
今後の一生を任せるには、
実に稚拙で、考えてくれていない人達だと、嫌と言うほどわかった。
はっきり言うと、母を任せたくない。
それほど、信頼関係の構築への致命打しかしてこられなかった。
信頼も糞もへったくれもない、というのが実情だ。
母曰く「死ぬ話しかなかったしちょっと皆医師はしんどい」
といったことがリアルであったことも相まってか、
本当に、腐敗だけはどうにかしないといけない。
一生を医師の都合一つで、掻き乱されて、殺されて終わる。
そんな危機感にとらわれていた。
医師は治療方針決定を終えても、炎症止めもくれず、痛み止めと胃薬以外は出さないと、好きにするだけだった。
よくなってきていても、伝えても、これから悪くなってくるからねといったような言葉しか返さない一点張り。
次の診察でも同じようなことしか言わないだろう。母もそれを予期している。
これらは全て一昨日にされたことだが、
現時点(12月30日の朝)では声もはっきり通るようになってきている。
ラインでなければ疎通しにくかったことも、きちんと声でできている。
よだれが出続けるのも収まりつつあり、日々事態はよい方へ動いていて…尚更に思った。
人次第で、人は、生きも、死にも、するのだと