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Unlimited【ダンまち】

第72章 真相





死んでも、離したくない…

この役目だけは……誰にも、渡したくはない…
自然と、不思議と、独占欲ばかりが、胸の内を占めていった……


嘘も付けなくて、冗談でもうまく出来なくて、
それでも笑っていて欲しくて、その一心で必死にチョコチョコ動いて、
躓いても、へこんでも、失敗しても、打ちのめされても、踏まれても…
心配を掛けまいと、大丈夫と、健気に笑ってみせる…

どんなにへこんでいても…僕が頭を撫でるだけで、それだけで心底嬉しそうに満面の笑みを浮かべてくれる。
そして誰にも見せない涙を、僕といる時だけ、僕だけには見せてくれる…

頑張り屋で、直向きで…他の人には決して涙を見せないくせに、弱音も吐かずに、愚痴も零さずにいるくせに…
僕だけが相手だと、簡単に口を開く。せめて抱き締めさせて、と…甘えてくる。



本当は…誰よりも、甘えん坊で、寂しがり屋で…

でも、迷惑を掛けたくない一心で……
自分の欲求にも感情にも何もかもにも、蓋をしてしまう。


人の痛みを、自分以上に感じてしまう。そしてそれを最優先に回してしまう…



そんな君だから…死なせたくはないんだ(ぎゅっ、拳握る)←2332ページ参照

たった一人では…(ギリッ!)



報われて欲しいと、何度も、何度も、何度でも…内から溢れ出ては止まらない。

君の心に触れる度、
真に思い遣っての温もりを、周囲からそうでないように扱われる度…

だから…
見捨てられないケイトを、見捨てられない。


実父と、いじめっ子と、重なって…
今後も犠牲を出し続ける、殺し続ける、意に介さず繰り返し続ける彼に、その横暴さに、怒りを禁じえない。

いくら怒っても怒りが止まらず、沸き上がり続ける…
まるで…自分の身に起こったことかのように、犠牲になって全く意に介されず繰り返され続ける側の気持ちを重ねている。

その時の気持ちを知るから、傷も、痛みも、ずっと常に受けて、曝され続けてきたから…

泣き寝入りのみ、強要され続けてきたから……



だから…それは、その怒りは、怒るべき点ではないと思った。
たとえ誰が、何と言おうとも…

それごと自信に変えて、抱くべきだと思った。


どちらも大事にしたい、泣き寝入りさせたくない、犠牲にしたくない、それらへの余念がない、それが君だ。

誇りに思うべきだと僕は感じた、美しいとすらも…


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