第72章 真相
空中レース中では、レース参加者以外は空中迷宮へ立ち入りできないようになっている。
ただし、致命打を受ければ(バリアが判定する、本体は決して傷付かない)
規定の開始場所(空中庭園)へ送られるので、その者達を失格者として処理する人はいる。
逆に空中迷宮内に取り残されるか、送られる機能に何らかの要因で出来なかった際など、支障が生じた際にすぐ動けるようにする為に『防衛隊』が配備されている。
余談だが大人に混じって子供も参戦できるのが空中レースの醍醐味。
年齢制限なし。老人でも何でもござれ。
5000万円も!!?
と優勝賞金に驚かれていたが…
それに対する返事は、「……気の変わらない内に始めてくれ」とケイトから言われていた。
金の巡りを自分で遮っていたら、廻らなくなる。
滞りを自分で作り、その分人へ行き渡る量が減ってしまう。
そう考えてのことらしい…
僕にも言ってくれれば工面するのだが;
それを伝えると、ただでさえ京の位を超えかけているのだから怖い。これ以上負担を掛けることも怖い。
と、しきりに怯え切っていたので…僕も出すよ、と伝えて、安心してくれるまで頭を撫でて抱き締めた。
下の方でも練習用のレース会場があり、数多の障害に対する技術を身に付けるそれがあった。
左右の方でも練習用のレース会場があるが、空中迷宮での障害の予行演習となっている。
下の方はそれも含めた総合練習のようなもので、全てが一丸となって障害として襲い掛かってくるので、最もハードなものとなる。
実際にはそれ以上にハードなので、脱落者というか失格者が多数勃発することとなっている。
予知でも見ていた訳だが、事前にあった方が、空中レースをする前よりは減っていたので至急作ったとのこと。
最後の人は悲惨なもので、皆から見られながら自ら降参することも出来ず(精神的な理由)、泣く泣くゴールを当てるまで続けていた。
致命打を受けて失格したものも、それで終わりではなく、
復活戦というものも作り、本選に復活できるようあれこれ手を尽くす手法を取っている。
早い話、異空間にある複製した練習用レースを使った『同時刻』失格者復活戦。2位までしか復活できない。
最高のパフォーマンスを維持する為に空中庭園に『休憩所』も作り、冷静にコースを分析し手順を組み立てる手助けも怠らないようにしてある。
