第71章 改革
私は、「私が存在すること自体」を責めずにはいられなかった…
何度も死のうとした…
自分でも、何でも殴った、腕でも蹴った。でも止められるのは言葉でだけ。
包丁で自分を刺そうとして、やっと止められた。
でも言われた言葉は、怒りは、望んでいたものとは違った…
自殺したら同じ生をまた繰り返すだけだからダメだと…
怒ってぶたれるということも無く、当て逃げの時のように危ない!と叫ばれた時と同じように叫ばれただけだった…
受け止めるなどなく、自分の言葉だけ聞けと…
そこに感じる想いも、感情も、言葉さえも、声に出すことさえも憚られる…
お母さんが見ているのは…私ではない……
都合のいいように動く、理想の人形(娘)だ。
その人が求めているものが何か…すぐ、わかってしまった…
求められているのは、思い通りに動く人形でしかない。
思い通りのタイミングで動いて、時も、ペースも、何も、かもを…全てを、縛られろと…
その度に、感じる…
お前など、要らないと……
いっそ自己欺瞞ならどれほどよかっただろう…
父に養育費を、学費を払わせる為。
その為だけに縛られ、父が私だけは貰っていくと言っていたからと、
自分の話だけを聞けと延々に言われ続けて、捌け口にされ続ける。
生きた屍のような人生だった…
母が想うのは、自分が想像した通りに動く、喜ぶ、人。
演じなければ…楽しまなければ、喜ばなければ、私の願いなんて消さなければ……
生きていると感じたくて、血の温かみと味に触れたくて、自らを切ったりもした。
怒られもしたけれど…それは口先だけで。
でも、実父の環境も言わずとも知っているからで、そこだけは助かっていたから本当に感謝しているし、嬉しい事だった。
死のうとしたら、楽になろうとしているだけ。
だがその実態はサンドバッグがなくなったら困るから、無抵抗で浴び続けるそれが楽しいから、楽しみが減るのが嫌だからに過ぎない。
寂しいという感情は、既に、死んでしまった。
何も、感じなくなっていった…
魔道具(パソコン)が仕事で使うと、9歳に家に持って来て、やっとこさ捌け口が向き辛くなったのがせめてもの救い…
本来、実父が私達を殺されなければ22歳半までずっと同居していて
24歳半の離婚前に家に急に押し入られ、必要なものを盗られていった。