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Unlimited【ダンまち】

第71章 改革





ケイトが求めるのは、恭順する部下ではなく、
違った意見をぶつけて、新たな道を、選択肢を指し示してくれる部下だった。

皆が納得する道、それこそが組織の道であり、皆が揃ってこその組織で在りたいと…


二者択一ではなく、第3の道を取る、行く組織で在りたいと…



よって、ボスとして比類なきものと、組織で下につく者達から大いに認められたという――



その点、ツナは…


平和平和ー♪←平和ボケ?平和中毒?
皆大事だけど絶対修行しなーい♪
力貸してー♪
それらの動向が寄生虫とおんなじ、コバンザメと同じ。

自分じゃ泳ぎも努力もしないで、おいしい餌を食らい、都合のいい時だけ関わって、人へ求めるだけ。
頼りにもならなければ安心して任せられもしない、力を貸す側の人のことも気持ちも考えもしない。相手の視点に立たず、気持ちに配慮しないばかりか俯瞰もしない。統率力もない。

組織を率いるボスの在り方としては最悪、下の下の下。


落差が酷い…;



ケイトと、ツナ…

どちらが組織の長か、人として正しいか、わかるだろうか?



ケイトは…

いつ喚かれるか、いつ殴られるかわからない。
そんな環境に身を置いていること、心身共に余裕もなく疲弊している状況にあること。
逃げれば連れ戻され、より酷い目に遭わされるだけ。助けを求めても同じ。
誰も助けない、守らない、見ない、聞かない、決め付けてくるだけ。

明るく振る舞うしかなかった…
それらを知らないまま、不可抗力のそれを、一人の子がワザとだと決め付け、共通認識とする。

ぽっきりと、折れてしまった…


誰もが余裕のないものだと思っていた。
せめて、やりたいことを…と、した結果が…それだった。

私を殺して、笑う…それは、その姿は、実父と同じだった。
言葉も、想いも、何もかもを無いものとしてくる…同じことを求めているのだとわかった。わかってしまった。学習してしまった…

結果として…どこにもぶつける場も時もなく、己に当たるしかなく、話し掛けることも明るく笑うことさえも出来なくなった。



そうしてでも守りたかったのは…相手だった。

同じ想いをする人に、自分の手でさせたくはなかった。
ただ、そんなことをして笑う人になんてなりたくなかった。


そんな想いも、願いも、届くことはなく…無下にされ続けてゆくばかりだった……


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