第70章 新天地
その頃、神国コクーンの豊饒の女主人にて…
ルノア「あ。残念だったね、アーニャ」
アーニャ「?にゃんの話にゃ?」
ルノア「愛しのケイトさん、ついさっき帰ってったよ。
あんたが配達行って道草食ってる間に」
アーニャ「にゃああああ!!?
にゃんで引き留めてくれなかったのにゃ!!?;」
ルノア「だって神像のCM見て我を忘れてたみたいだったし」
アーニャ「だとしてもにゃああ!!;
あ!!リューは!!?リューもイチャイチャしたのかにゃあああ!!?」ガシッ!!
ルノア「んな訳ないじゃん。地上の方の豊饒の女主人で頑張ってんのに」
アーニャ「ほっ…それならまだ、大丈夫にゃ」
ルノア「あ、でもそれとなく聞かれて答えちゃったよ」
アーニャ「ルノアの馬鹿あああああああああああ!!!!
最悪にゃ!!最低にゃあああああ!!!」
ルノア「何でそんなに怒られなきゃなんないの!!?;」
アーニャ「密告者めええええ!!」
ルノア「あんたが最初から真面目にやってたら会えた問題でしょ!?;」
だぁんっ!!!!!!!!←ミアが机を叩き割る
ミア「あんたら静かに営業しな!!!!!・・」ぎらーん!!!
シーン…
『…はい;』たらたら
客『お前が一番うるせえよ)…;』がくぶる
豊饒の女主人では、いつも通りとも言えるやり取りが交わされていた…
地上の方では、変わらず…だが穏やかに時間が過ぎていったそうだ。
君のような人が生きやすい世界なら、どんなによかったか。
もっと生きやすい世界なら…
そう言われて逆に僕の心配をする馬鹿だ、ケイトは…
この人(フィン)にだけは、そんな人で在りたくない。
急に言い出したのはきっと…
僕が生きやすいなら、と…そう考えたからこそなのだろう…
いつでも、僕のことを、想っていると……
フィン「…」
ケイト「…フィン?」
君はいつも…他からの理解を求めない。
たとえ報われなくとも、想いを理解してもらえなくとも…
その道を選んでしまう…話せない障害(トラウマ)を呪うでもなく、出来ることを精一杯償いにあてようと……
生涯背負い続けてゆくだろう…たとえどれほど呪われようとも……
僕も…同じだ……
同じなんだ……
誤解されたまま、ひとりで、報われず、死んでいく道を、進ませたくない。
たったひとりで死なせたくない…