第66章 穢れ

フィン「それだけ…君のことを考えてくれているんだ。
死ぬはずだった命を救われるばかりか、ここまで良くしてくれたからね。それも全て善意から。

報われて欲しいという君の願いが、愛情が、人をここまで突き動かしたのさ。
君が、死に物狂いで人の為に動く人だから。
だから君の為にと考えて動いたのだと思うよ」
ケイト「わかるけど…；
もう少しやり方とか」

フィン「僕も休むのが仕事と言われたからね」
ケイト「え！！？」

フィン「僕が休まなきゃ、君も休まらないだろうし手伝おうとするだろうからと」
ケイト「びええええええんっ（号泣）

逃げ道全部死んだああああ；；」

フィン「ふふっ^^（くすくす）


君が欲しがらないから、求めないから、国民皆で与えると決めたのだと思うよ。
きっちりと恩返しをしたいんだと思う。力にならせてもらえないから、せめて…とね？

有難く噛み締めるべきだ（二度頷く）
いい家族に出会えた、恵まれたと…」

ケイト「……（きょとん）

（はっ！）
うん！（真剣頷く）

でも…」俯

フィン「ん？何か不安要素でも？」

ケイト「今は全員から支持されているが、子供が大きくなったら国王のその仕事の存在を受け入れないのではないか。
そう伝えたけど、防衛隊でもどうしようもない時にでばり皆を守る役割なので大丈夫って言われて。

そのまま押し切られたんだけれど…


でも自分のみにとっていいことばかりとなるのが怖い。
その裏で泣き寝入りする人が必ずいるから。
一方のみへ偏り過ぎれば、増えるものだから。

うまくいかないのが世の中であり、その為の修業なのが通説。
なので…どうやればいいのだろう？の答えが中々ない。


自分を守る、物理的でも精神的でも…
頑張らないと…いつ気が抜けるかわからない…；

今でこそ出来るようにこそなったけれど…私を殺してくれ、なんて言い兼ねない」

フィン「なるほど…責任や重圧、罪悪感に押し潰されそうだ、ということだね」
ケイト「」こくこく！←激しく二度頷く

フィン「それこそ自分で自分を傷付ける代表例だ」
ケイト「！」瞠目

フィン「皆が皆、君の仕事が休むこととなるのを望んでいる。
だが、君だけが君を責めている。

自分で、自分を傷付けるな。追い詰めるな。
皆の総意だということを忘れるな。寧ろ誇れ。
いいね？」

ケイト「…うん！」