第66章 穢れ
フィン「そうか…」
ケイト「私は…物心つく前から、ずっと父母に虐げられてきた。
意思も何も無いものとされて、学校以外ずっと軟禁されて、力を搾取されて、言うことを全て聞かされて、意にそぐわないことは自分や姉のせいにされて、愚痴や暴力の捌け口にされて、どこかに出かけるとか欲しい物を買ってもらえる望みを聞いてくれるのは1年に2回だけ、お願いも自由意思も全て無いものとされてきた。
意にそぐわないことが起これば全てお前のせいとされて、自由にされ続けてきた。
4人家族の内…1番は父、2番母は、3番は姉、4番が私、願いが叶う優先度はそれで、主張すらも感情をぶつけることも赦されず、すれば暴力や高圧的な暴言で返されるばかりで、何も叶うことは無かった。
(リアル実話、0~24歳まで)
だから…彼が、彼の在り方が…どうしても赦せない。
あれがどれほど残酷なことか、身を持って知っているから。
望まぬ結果の為に自由を奪われ、力を搾取され、やりたいことがあっても踏みにじられ、主張も発言すらも赦されず、言うことを聞かねば暴力と暴言しか返ってこない場所だったから。
だから…ああいう風に、自由意思もなく、願いも望みも何もかも叶うことも無いまま、己だけが叶えばそれで笑っている在り方を…由とは思えない。
あれを味わって得る哀しみを、苦しみを、憎しみを、怨念を、怨嗟を、私は死ぬほど知っている。
あれをされるのは…ただ殺される方がマシなぐらい、残酷だ。
父母からずっと、物心つく前からされていたからこそ言えることだが…
あれは、ただ死ぬよりも辛い。
だから私は…この道を行くと決めたんだ。
自分の目指す道がはっきりとわかった。
あれの存在のお陰で大事なものを、当時の感情を思い出せた。自分が本当にやりたいことに、やっと気付けた。
もう自分に嘘はつかない。
無理な譲歩なんかしない。
この道だけは、死んでも曲げない(真剣)
その為になら、死力を尽くしてでも戦う。
誰も守ってくれないのなら、私が、私の感情を守る。
もう誰も泣かせない!
(アスフィの涙が思い浮かぶ)
自分を、ちゃんと出す。
心配されないように、守れるように、ぶつけてでもぶつかる!」ごおっ!!!
次の瞬間、魂の力の力強さが爆発的に跳ね上がった。
望みが、願いのベクトルが一本化し、迷いが抜けたことで。
