第66章 穢れ
リヴェリア「だからこそ…「人に対してするのと同じように、自身にも優しく寛容であれ」という課題なのだろう。
滅多にいい人と巡り会えなかったのも、その中でも自身へのそれを抱けるようにという配慮あっての故か…?」
ガレス「あんな豪気は中々見んわい!がっはっはっ^^」
フィン「知ってるよ。
それを見抜いたからこそ、結婚を迷わず選べたんだ。
それはそうと…アビスの浄化が一番苦労した」
リヴェリア「属性が闇だからな。より穢れに染まりやすいだろう」
フィン「ああ。それに落ちにくいことこの上なかった(お手上げ)
たとえ種族を元に戻すのは簡単でも、元の清浄な状態に戻すまでが厄介だった。
こちらの闇、負の念まで僅かに在れば即座に影響を受け、全てにあっという間に闇へ染まっていったからね。
全てを浄化する勢いでやらなければならない、そう…いたちごっこだった。
それらの情報を鑑みると…ケイトが呪詛を受けた時と同じ要領でああなっていたこと、だからこそアビスの件もキリがない状況となっていたのが窺える。
まるで…堕天したケイトと変わらないほどに」
リヴェリア「あの時は…ケイトの抱く闇がそれ以上だった、当事者だったこともあってより一層だったのが強みか。
結果として…堕天から自力で舞い戻ったが、周りの願いや感情を受けてのことも非常に大きいだろう」
ガレス「あの時は大変じゃったな」しみじみ
フィン「あれからまだ数日しか経っていないとは…
相も変わらず濃密だね、ケイトとの日常は」苦笑
ガレス「休み無しか…」遠い目
フィン「前も…仕事が欲しいと言っていたよ。
仕事を作れば作っただけ、即座に取っていかれるとぼやいていた」
ガレス「部下に恵まれたことを感謝せんか」ふん
フィン「していたよ。
でも力になりたいという気持ちの方が勝っているようだ。
社員達が力になりたいと想っているように、ケイトもまた…社員達の力に少しでもなりたいと願っている」
ガレス「これもこれでいたちごっこになっとりゃせんか?;」
リヴェリア「なっているな。
だから…いい会社であり、組織となり得る。
人となりを見ず、求めるばかりのそれでは…悪循環しか呼ばん」
フィン「無意識の内に凄いことを成し遂げているというのにね^^」ふふっ
ガレス「全くもって威張らんの」やれやれ嘆息瞑目
『全くだ』苦笑
