第65章 新たな冒険
メラ母「ええ…よく知ってるわ。
でもね…今はもう、そんな人達ばかりの世界じゃないのよ(微笑&なでなで)
領主様が守って下さる。愛して下さる。
傷付かないように、結界で間引いて下さっているのだから…
だから…愛して、いいのよ」
メラ「っ;;」ぼろぼろ
メラ母「大事にして、いいの。
それを、上げ足を取ろうとなんてしない。打算的なことなんてしたりはしない。
する人は…入れない。だから…安心していいの。
人を…愛してもいいの。大丈夫な人達、世界なんだから…
同じ境遇を、理不尽を味わってきたんだから…
されたとしても…そんなことをしない人達ばかり、集められて…この神国は作られたのだから」
メラ「…う゛ん;;」
メラ母「しないように、心掛けていきましょう?
あなたの父、私の夫は…酷い言葉ばかり吐き掛けてきたけれど…」
メラ「あんな奴の話しないで!;」ぐすっ
メラ母「ええ。ごめんね。
女手一つになってしまうけれど…大事にするから^^」
メラ「母ちゃんはいつも守ってくれてたよ…
俺が力になれることなんて…それほどなかったのに、さ。
守られてばかりで、嫌になる…
母ちゃん以外の、実際の女なんて…ろくでなしばかりだ。
少なくとも…ここに来るまでは、そう思ってたんだ。
だって…散々群れて、貶めて、陰で悪口言って、それを違う人がやったって押し付けてッ;
領主様がされてきたように…俺達も、されてきた…;;
でも…俺は、そんなの…出来ないから。同類になんてなりたくないから」
メラ母「そうね…傷付いてきたものね」
メラ「女なんか糞くらえだ!!;」
メラ母「でも…男も
メラ「知ってるよ、父ちゃんで!!;
だから……だから…俺……なりたいんだ。
守れる存在に、あんな醜悪な奴等から…助けられる人間にっ」
メラ母「ええ…
なら、頑張りなさい。
どんな課題でも何でも乗り越えて…助けとなれるように。
まずは身近な人達から」
メラ「う゛ん゛!」号泣
力強く頷くメラの目には…もう迷いなどなかった。
過去のしがらみも、尾を引く感情も…全てを原動力に変えて…
前へと進むこと、守れるだけじゃなく助けとなれる存在になることのみ、強烈に焼き付いていた。
防衛隊ではなく、冒険者を選んだ理由は…最も自由で、防衛隊の手の届かない所を補えるからだという――
