第65章 新たな冒険
放課後
トール「もう少し残って勉強するよ」
そう4人へ言い残し、学舎へと残っていた。
勉強している間、トールの母から尋ねられたシンはカッコよかったことを強調し、女の子を守る為に身を張って頑張ったのだと胸熱になりながら語った。
状況を知り、気付けば…トールの母は学舎へと走っていた。
その頃、トールは…図書館に残って勉強を頑張っており
そこへ校長先生が訪れてきた所だった。
静かな部屋の中、2人きりという状況に声が強く響いたように感じる。
校長「やあ。喧嘩ルームを使用したと聞いたよ。
メラにも言ったが…何事も力で解決してはいけないよ?
お互いだけじゃない、別のものまで傷付けてしまうからね」
トール「?それって何ですか?」
校長「何かは…後になればわかるよ」
そう伝えたいことを伝え終えたとばかりに、優しく微笑んだまま頭を撫でて去っていった。
トール「???」
それに頭を捻るばかりだったが、明日までの宿題のこともあり、去って姿が見えなくなった頃にはそちらへと意識を戻していた。
同じ学舎内、廊下にて…
メラ「…ん~…
(自動で人や生物、ものを避けるんだよな。
伸縮自在で、徐々に大きく、長くしていくって言ってたっけ。
どんな風に形状が変わっても、感覚の延長に慣れるようにって言ってたな。
杖の先まで自分の指先だと捉えつつ、どんな動きをしたとしてもちゃんと手を放さないようにってことだよな。多分)
けど…武器の動きに合わせるようにって言ってたけど…一体?」
AI「恐らく、武器が衝撃を受けた時の為だ。
攻撃を受けた時、もしくは受け止めた時、その衝撃を流せるようにする為だろう。
即座に武器に伝わる衝撃や力を流せるようになれば、その分次の動きへと通じやすくなるからね」
メラ「はっ!)そういうことか!」
AI「取り回しにも慣れておくことで、思った通りの動きを確実に出来るようにする為でもあるのだろう」
メラ「なるほど!
ありがとう!頑張ってみる」
微笑しながら頷き、ワザと当たるようにしつつ素早く杖の動きに対応する訓練をし出した。
先生方が帰りなさいと指示するまで、それは続く。
冒険者となるにおいて武術の基礎は必須事項、それを身に付けようと必死だった。
体の動き…指先から足先、重心に至るまでの全てもまた同様に…