第65章 新たな冒険
私なら…赦せない。一人として生き残っていることを、どう在っても赦せない。
死ぬきっかけを作った。私が神の力で死人を全て生き返らせたとは言え、それを償わなくていいと平然と言う行為を取った…それを……」涙
フィン「笑えるものか」ぽんぽん←二度肩を叩く
ケイト「あの時も…そう言ってくれたね…」
フィン「彼は、人として最低な選択を取った。
どうして取ったか聞いてみれば…「仲間を守りたかった、自分が取ったのはそれだけであって、償わないといけないのはクーデターをした本人達、自分は勝手に担ぎ上げかけられていただけだ」と。
下っ端のタズナを握れなかった責任、上司としても正しく導くそれもない。
大事な肉親や家族が殺されれば生活が一変することさえも知らない。
住む場所を変えないといけないこともある、金の管理も家事も何もかも自分一人でしないといけない。遺産も全て取ろうと画策する者までも居るし、その相手をしないといけない。
たとえ優しくとも、方向を間違えば害悪しか生まない。望む形が違うものからすれば吐き気しか催さない。
彼の母だけでなく仲間も過保護で擁護に回るからか、彼は人の尻拭いは出来ても自分の出来てない尻拭いに気付こうと注意深く客観視したりはしない。
早い話、責任を軽視している。自分達のみにとって都合のいいように何でも置き換えてる」
ケイト「いつものことさ…
それよりも……」ぽとっ
フィン「ん?」
ケイト「…どれだけ強くなっても…一番守りたいものまでは守れない。
心までは守れない。
ものも、命も…守れるようになっても……肝心のものが、守れない」ぽろぽろ
フィン「やれやれ…あの時と同じように泣き出すとはね(なでなで)
(ぎゅうっ)
「大丈夫だ…君は、自分に出来る精一杯をした。
双方の為に、頑張って…結果を出した。
何より、彼を守護者諸共国外追放出来たことは非常に大きい。
もう、心配することは何も無い。
逮捕を「攻撃されている、守らなきゃ」と捉え、その行動を取るに当たって先を見据えられない人が居れば…混乱するばかりだからね。好き放題動かれるのだから」
ケイト「でも…でも…出来ることなら
恭弥「無理だ。諦めろ。
あれが居ては、国家の妨げになる。
勝手な正義で動き、その責任を背負えない人間は…混乱しか招かない。周囲が振り回されるばかりだからね」
