第63章 新たな来訪
母『落ち着いて、心して、神様の心を汲み取りながら、頑張っていきましょう。
大体神様は『心の清らかな魂の濁っていない嘘のない人』にしかメッセージを出さないから、ケイトは気にしなくていい。
何かを受け取らなくても、よく頑張っているから、自分の仕事に集中して。
この世は理不尽な事が多く、心が強くいたいが、中々煩悩の多い人が多い世の中だから、心ぶれないように神様に祈りましょう』
母から…
霊感のある、血の繋がりのある母から言われた言葉が何故か…
一瞬、脳裏をよぎった。
ずっと私がいじめられていた時、母はいじめられていたことに気付かないまま…
学生の仕事は勉強だと…
人のあれこれそれ等気にしないよう諭してきたものだ。
母『気にしても仕方ない。
無我、無理せんと穏やかに。
落ち着いて、平常心、深呼吸。
大丈夫、心配しない』
きっと、よぎったのは……
色んなものが見えるようになったからだと思う…
もうすぐコクーンへ到着するだろう貴族の子を見据えながら、眉間に皺を寄せた。
音速飛空艇(1411ページ参照)、その貴族の子に宿らされていた闇に。
本質とは違い、別の要因から与えられたそれを見て…
モコナ「ということは…」
小狼「姫の羽のことも?」
ケイト「ああ、知ってるよ。
サクラの記憶なんだろう?
この世界にあるかどうかはモコナが見てくれない限りわからないけれど^^;」
小狼「!そこまで…」
モコナ「ねえねえ…」
『?』
小狼「!もしかして…羽が?」
モコナ「うん。
この世界にあるよ。
でも今は薄っすらとしていて、場所も定まってないし…よくわからない;」う~ん
ケイト「ならここに留まるといい。
ここで会ったのも、何かの縁だ。
全ては必然…侑子さんも言ってたろ?」
黒鋼「魔女の手先か?」眉顰め
ケイト「まさか(肩すくめ)
私はその考えに共感しているだけだよ」
ファイ「何でじっとしているといいの?」挙手
ケイト「ここは空中都市コクーン。
各国との貿易と観光の中心地だ。
人も物も、自然と集まってくる。
モンスターが持っている可能性もあるが…だとしたら向かうのはこちらの方だ」
モコナ「何で?」
ケイト「一番強大な力が集っているからさ。
羽で強化された場合、強い相手を欲する。
神の力より上なんて早々無いだろうし」