第61章 新たなる発展

がおー！！

そう言わんばかりに両拳を振り上げるケイトに、僕は苦笑した。



フィン「それは…ちょっと、困るな^^；」

ケイト「困っても回る！」ふんすっ！

ティオナ「本当にフィン大好きだなあ…
まあ、わかるけど^^；」

アスフィ「ええ…精神的支柱なのでしょうね」

リュー「私達にとってのケイトと同じように、ですか」

ティオナ＆アスフィ『うんうん』二度頷く


ケイト「私は…私を貫くよ。

彼をいい人だって思うなら、思えばいい。


でも、これだけはどうか忘れないで欲しい。
身内を殺されて奪われた人がいることを…

その人からすれば、奪われたそれごといい行為と言えとされることだと。

される側には、それなりの気持ちがあることを。


「奪われた気持ちを踏まえてまで、いい人と言う覚悟を持って欲しい」とまでは言わないけれど…
できるなら…ちゃんとそれらも全部見た上で、それでもいい人だと言って欲しい。

そしたら…それには何も言わず、違う概念を持った人として受け止められるから。



私は…全部見た上で、踏まえた上で、そうではないって……

そう、腹を決めて言い切れるから。
たとえ誰がなんと言おうと…私は、そう思うよ。


それは…私だから、思うことだ。
私が私である以上…決して、逃れられない。逃れることはできない。

いい人と言う人もまた、そうなんだろう。
ただ在り方が違うだけ…

それでいいと…私は思う。



ただ、価値観が…経験が、重視する点が、人によって違うだけ。

違うから…譲れない部分が違うから…
認識の相違へと発展しているだけだと、やっとわかった。


私が私である限り、私が私を殺さない限り…

たとえ前世の記憶を無くそうとも…
彼のことをいい人だなんて、私には思えない」

フィン「ああ。そう思うよ」


ケイト「私は…私1人や、私の身近な人達の幸せの為だけに
私達がいい思いをする為だけに、死ぬ気とか力やその場の感情任せで暴れたくなんかはない…傷付けたくもない！殺したくもない！

他の人達の迷惑や被害や感情なんてお構いなしに、その幸せや日常を害し、踏みにじった上で笑うことなんてできない」

フィン「ケイト？；（たらーり）

（何か…論点がずれかかっているような気が…；

ああ…
ケイトにとって譲れない点を整理しようとしているのかな？；」