第61章 新たなる発展
フィン「そして自分でも気付けないまま、自分を傷付けていた。
傷付けてでも合わせようとした、愛そうとした。
けど土台無理だったんだ。
深く捉えない、考えないそれに…コロコロと変わる優柔不断に、行き当たりばったりに…
全て、合わせられるはずがないんだ。
そもそもの基準が、重きを置く所が、最初から全て違うのだから。
僕にも無理だ。
そしてそれは…大切な人を殺されたからなんだ。
その経験が、どうしても彼の言動を由とはさせてくれない。
させるわけもない。
殺した仇が、堂々と、安穏と、笑って過ごしている。
殺しを背負わず、無視し、殺して奪った先の時間を生き、何事も無かったかのように笑い、変わらずに殺しを続けながらも、何度でも…
それだけで十分なんだ…彼を嫌う理由なんて。
同じなんだ…僕も…
殺された経験のある人ならば、誰もが…
君達も、アイシャも椿も大事な人を殺された側の人間だ。奪われた人間だ…
ケイトは、気付けてはいなかったけれど。
気付かせて、自分に目を向けてやって欲しかった。
そして…その上で、大事にして欲しいと思った。
話が長くなったね^^;
済まない」お辞儀
アスフィ「いいえ、同じ気持ちですから」
ティオナ「でも…惚れさせたくてしたんじゃないとか言うけどね」
リュー「好きになって欲しくてしたんじゃないとも言いますね」
フィン「ああ、とっくに知っている。
たとえ自分に合わない言動であっても取って欲しい。
自分を殺してまで、傍に居て欲しくはない。何より幸せになって欲しい。
そう人へ願えるのが彼女で…そこが、ケイトの美点だからね^^//(くすり)←顎に手を当てつつ微笑む
それにしても…やっぱり、わかってなかったか…
仇と同じことをされていた。それが世の常とされた時代…
だからどうしようもなかった。
当時(戦国時代)では…
砂を一掴みし目へ投げ付けられ、逃げられた。
その背を斬りつけることもできたが、できなかった。
それは…仇を打てなかったことへの慟哭だと思われた。
実際は…求められること(殺し)と良心の板挟みに、泣いていた。
苦悩や経緯、それを大事に思うのは…そういう経緯があったからなんだ。
だからなんだ…
彼女が、人の心を第一とするのは。
そしてそれは…天界での常識でもある」