第61章 新たなる発展
フィン「ああ……
本当に…そう想うよ。
まともな判断力も失うぐらいに…倫理観を、命を軽んじる人が非常に多くいることが」
ケイト「好きというのは、そういうものだよ。
どんな悪い点があっても、それごと愛そうとする。
そして…目の背けられないものでも、見てない振りをしてでも好きだって言う。
それも…頑なに」
フィン「理解し難いね」
ケイト「^^
それは…私が、彼のような「人を殺した後笑って何事も無いように生きれる人」でないからだよ。
もし…私が彼のようだったら」
フィン「絶対ない」
ケイト「あはは^^;
だとしても…お陰で、しっかりわかることができたよ。
理解もちゃんと深まった。
そしてその上で…受け入れられないって言える。言い切れる。
私は…父上を殺されたから。フィンは、祖父母を殺されたから。
殺されなければ…やっぱりわからないよ。それも、人に。
でないと、彼のしている…虫を殺した後みたいな何事も無く笑って修業も努力もしない生き様の意味なんて、その重さなんて、何故嫌悪するのかなんて、わかりっこない。
そう……想うよ(再び空を見上げる)
天界、あの世に居る人達…その近しい人でなければわからないことだろうけれど。
死別についても…当時は、死ぬほど辛かった。苦しくて、痛くて、全身がバラバラになりそうな、そんな感情だった。
死にたいとすら思った。
けど…大事な、経験だったと思うよ。
別れがあるからこそ、今この瞬間を大事にしようとできるから」
フィン「彼はまだ…何も知らない。
ただの運、ご都合展開でどうにかなっているだけ。
努力もなしで得られる力なんて、大したものなんかじゃない。
得られるはずがないんだ」
ケイト「知ってる^^」
フィン「彼の持つ覚悟なんて…絶望を知る者からすれば軽い。重みが決定的に違う。
それでも勝てたのは…ご都合だ。神からの」
ケイト「うん…それも、わかってるよ」微笑
フィン「……君は……醜いとは思わないのかい?
必死に、頑なに…悪と論じる、僕を…」
ケイト「ぜんっぜんっ!^^」にっこり
フィン「!!」瞠目
ケイト「赦せる、赦せないの基準は…価値観は、人それぞれだよ。
私もだけど…彼が、赦せないポイントのど真ん中だっただけ。
彼を忌避する理由も、激情も、身を焦がす程の怒りも…よくわかるから^^」
