第61章 新たなる発展

フィン「彼の好きな人、近しい人が言うのは…

自分が好きな相手だからそういう面を言うな。悪口言うな。
それだけだ。

悪く言っているんじゃなく、彼の犯している罪を「指摘している」だけ。
その罪も悪い所も全ていい所なんだと、正当化したいが為に喚いているだけだ。


殺しを重く見るか、見ないかは…やっぱり、経験が重いと思う。

君は、見ようとする。努力する。
その重みは、彼とは絶対的に違う。

彼の言葉では説得力が皆無だ。
言葉の端々に、自分への甘さ、優しさ、怠惰、楽観が滲み出ている。


自分が気持ちよくいたいから、居心地のいい場にいたいから、その為だけに過ぎない。

彼は、君のように絶望もしなければ、苦悩もしない。したこともない。
たとえするとしても、考える時間を作るとしても、自分の為だけだ。

君のように、人のことで…その人の気持ちを考えて、思い悩んだり、絶望したりはしない。


絶望も知らない希望では、天と地ほどの差がある。

希望しか知らない、身内の死も知らない。
そんな希望では、何の救いにもなりはしない。

絵空事でしかない。いつかは通用しなくなる。


彼は死を知らない！親しいものの死を。
たとえ死にかける場面にあったとしても、胆が冷える経験をしたとしても、修業を決してしようとしないのは…

自分可愛さからだ。自分への甘さ、優しさ、怠惰だ」

ケイト「あ、そっか」

フィン＆ケイト『彼が本当に優しいのは、自分になんだ』


フィン「……僕が…
彼の何が一番気に入らないかというと…

たとえ死ぬ気弾でいくら殺されたとしても、（白蘭やデイモンを）殺した言動を善とする姿勢だ。


一番後悔することを前面に出す死ぬ気弾。
それに撃たれた時、彼が後悔したのは何だ？

全部自分のことだ。
花屋の花、周囲への破壊被害なんて何とも思ってない。

人の命を…その手で奪った！殺しすらも！！


後悔しているのならば、目の前の何々をする！よりも最初に出てくるはずだ。

つまり…少なくとも彼の中では後悔に値しない事柄でしかない。
でなければ後悔先の変更に出ないことへの説明がつかない。


近しくない周囲、敵…近しい人以外なんて気に掛けもしない。
迷惑を省みていないだろう？」
ケイト「私は…

頑張っては、いるけど…至らない所だってあるよ」俯
フィン「ケイト！」ガシッ！