第61章 新たなる発展

ケイト「ホントだ……

ずっと…そんな、ひどいことを？」

フィン「向こうが襲ってきたのなら、それが自分から見て悪い人なら
殺した後、罪の意識に苛まれないのは普通だ。

いい人だからいい行いだ。赦される行いだ。赦されて当然の行為だ。

そう言い張るのと同じなんだよ。
彼をいい人だと！頑なに主張する行為は！！


彼の、友人へ向けての「また皆で花火見るんだ、遊ぶんだ。だから戦うんだ、強くなるんだ！なのに君がいなきゃ何の意味もないだろう？！」という言葉も…
自分が楽しむことを前提としているだろう？

彼が見ているのは、自分だけなんだ。
彼は…人を見ようとはしていない。考えようともしていない。知ろうともしていない！

そもそも…ちゃんと見ようとしていたら、殺しの罪に、その重さに苦悩するだろう？殺しを忌避するだろう？痛むだろう？
人の心に寄り添うというのは、見るというのは、そういうことだ。


けれど彼は…いつ見ても、自分のことばかりだ。

自分のことばかり考えて、自分が嫌だからというのが行動理念となっている。
自分だけが大事だから、人よりも自分だから、努力をしないんだ」

ケイト「言われてみれば…彼の、行動の端々に…

線と線が、繋がる…？」

フィン「ケイト…彼は、決定的に君とは違う所がある！

君は…自分のことが嫌いだ。
だが、彼は自分のことが大好きだ！


ケイト…君は、努力しているよね？

敵の気持ちを蔑ろにしたくないから、ただ一つの命で大事だから、
殺しなんて絶対陥らないように、傷付けないように、
どんなに強い敵が現れても、どんな敵が相手でも大切な人を守れるように

そう、考えて…必死に鍛え上げて……ようやく、神にまで上り詰めた」


ケイト「…何が言いたいの？」？眉顰め

フィン「彼はね…
そう考え至ることもなく、努力もせず…
いずれ来る戦いに、危機感も持たず、備えようとすらもしないんだ。

ただ幼稚なのもあるかもしれない。
でも一番見ているのは、自分だけなんだ。人ではないんだ…

自分が大事だから、それに他ならない。


そうでなければ…彼のこれまでの言動に、説明がつかない」


ケイト「そっか……

だから…………


なるほど……」

フィン「彼のことを知らないくせに、というのは…そのまま返したい。
命を人に奪われたことのない人が語るなと！」