第58章 堕天
がっ!!!
次の瞬間…闇に吹き飛ばされた。
フィン「くっ…(ぎりっ!)
(また…僕は……
何も、出来ないのか――?」
中空で後ろへ弾き飛ばされる中、一つのことが走馬灯のように浮かんでは消えた。
両親の躯の前で、何も出来なかった
庇わせて…死なせて……
それまでに知らなかった『大切さ』を、その時になって理解して…泣き叫ぶことしか……
――させて堪るか!!!!!
空中で強引に踏み止まる中…
あの当時の出来事が、頭をよぎった。
フィン『助けに行くよ――『君の英雄』として』←2168ページ参照
ケイト『フィンが何だって言おうが…私にとっては勇者様だよ。
誰よりも、どんな存在よりも…^^』
フィン『……(じわっ』ふいっ←顔を逸らす
ケイト『私の英雄は…フィンだけだから』涙目&微笑←2172ページ参照
フィン『仮に…今がそうだとしても、爆発する時は必ず来るだろう。
前に話していたように……←2167~2173ページ参照
だから…
その時は、僕へぶつけてくれ――感情も、力も、その全てを
受けて立つ』真剣←2192ページ参照
あの後…
ケイト『ねえ…一つだけ…お願いしてもいい?』
フィン『?何だい?』
ケイト『……もし…もしもだよ?
……間違えかけたら、その時は…何をしてでも止めてね』
フィン『!…(瞠目)
ああ…
約束するよ』微笑
そう頭を撫でる中、彼女は再び僕の胸へ顔を摺り寄せる為に飛び込んできた。
静かに受け止め、その温もりを堪能し切っていた。
フィン「どちらにせよ、人からは手痛くやられる」ぽつり
ケイト「?」眉顰め
顔を上げ、双眸を見据え言い放った。
フィン「それでも―――決めたんだろう?
同じ想いをさせないと、決して味合わせないと!←2169ページ参照
決めたのは君だったはずだ!!
思い出せ!!!
そんな程度のものでやられるものだったのか!!?
君の想いは――そんな生半可なものではないだろう!!!?」
ケイト「………
もう――疲れたよ」
涙も無く、無表情のまま…
未だ変わらぬ眼を向け、静かに呟いた。
それから哀し気な笑みを浮かべると共に闇を向けられる。
ケイト「フィン…もう、終わりにしよう?
………
死んじまえ」