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Unlimited【ダンまち】

第58章 堕天





飛んでいこうと僕達へ背を向けるケイトに対し、リヴェリアが叫んだ。


リヴェリア「待て!」

ケイト「ピタッ)…」

振り返り、黙ったまま睨視される中…立ち上がりながら叫びかける。



リヴェリア「本来のお前は…そうではないはずだ。


始祖神の闇にも打ち勝っただろう?!
そんなものではないはずだ!

目を覚ませ!!」真剣

ケイト「目ならとっくに覚めてるさ」
『!!』

その一言に目を向けると…見下すような眼で、見下ろされていた。


ケイト「生温い幻想にひたって、甘い未来(光)を夢見ていた…

愚かな、自分からな……」

冷たい眼差しで射抜かれる中…


ああ…もう、いないのだ――

強く、そう実感させられた……



ケイト「お前達を殺したくはねえ。

(ずあっ)
失せろ」

何ら迷いも無く、左手へ闇を宿し…再び吹き飛ばそうとされた。


フィン「消そうと思えば…
その気になればいつでもできるだろう?

何故しない」

ケイト「聞こえなかったのか?
殺したくはねえって、言ってんだろうが」猊視

やっぱりだ…

先程まで思い込みかけたそれを、僕は流した。


殺したくはないという言葉――
威圧だけで傷はつけまいとする行動――

それは――それらは――ケイトが必死で抗ったが故の言動だ



ティオナ「ちょっと待ってよ!!

アルやディは?!
ウルは
ケイト「知るかよ、そんなこと…」

彼女は…今……

胸の内に荒れ狂う闇を、必死に宥めて当たらせまいとしている。


戦っているんだ…まだ……荒れ狂う無限の闇へ飲み込まれそうになりながらも――



神の力で通して見た所…


フィン「…返してもらうよ」

ケイトがそこにおり、必死に戦っている姿が…ようやく目に見えた。




スタント・ゼロ――




瞬時に詰め寄り、彼女の胸に右手を当て光を送り込んだ。


事象そのものの消失へ特化した技…←1819ページ参照

その標的を闇へ絞り、解き放った。




だが……


堅牢――

浮かんだのは、その言葉のみ。



いくら原子以下レベルに潜り込もうと、働きかけようと

一切微動だにせず、そればかりかそれ以上の力で押し返してすらくる。


全く効いてない。
密度が高過ぎる上に結びつきも強く、隙間も無い。

そう理解すると同時に、闇に物理的に押し返された。


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