• テキストサイズ

Unlimited【ダンまち】

第58章 堕天





無数の闇と、無数の光…

闇に対抗するのに闇を使えば、破壊の波動は激化する。


それを緩和する為に、ケイトは光を使って応戦していた。



無数の連撃が、一つの音として炸裂し合い続ける…

ドドドドドドドドド


地鳴りのように低く響く重低音は衝撃となり…

今か今かと結界を壊そうとばかりに牙をむいていた。



がっ!!!!

今までの中でも一際大きいそれが炸裂した瞬間…


結界のヒビが拡がっていく。



ケイト「くっ…(やばい…押し切られる!;」
アイズ「はああああああああっ!!!!」

ぎぎぎぎぎ


鍔迫り合いのように競り合う。

凄まじい衝撃波が2人を中心に球状の波紋となってあたりへ炸裂し続ける。



ドックン


違う…

私が、戦いたかったのは……


――こんな形じゃない



ケイト「ピクッ!)この声…誰の?

(はっ!)
まさか…」

ぎぎぎぎぎ

がぎぃんっ!!!


押し返される中、ケイトの持っていた左手の直刀脇差が弾き飛ばされた。

残った右手のそれで対応する最中、即座に左手のそれを魔力で手元へ寄せる。


魔力の使い方…

一つの動きにつき、必要とされる箇所のみへ集中させる。


例えば突きを一太刀するとして、魔力を集中して強化する箇所は以下の通り…

まず突きをする際と当たるまでに『使用される筋肉の部位』のみ
後は『全身の外側部分(外皮)』と『神経』と『骨』と『血管』と『心臓』と『肺』…

他にも『生命維持に必要な主要器官とされる内臓』だ。

それらのみに集中させるようにすれば
全体的にただ纏うよりも威力は格段に上がり、キレも速度も今までのそれを遥かに凌駕する。


ただでさえ外への分散を無に、分散の向きを内のみにできれば
それだけで無駄な消耗は防げるばかりか、爆発的に量も密度も跳ね上がる。

戦闘に不必要とされる分も、そちらに回せるのだから…


それに伴い、威力、力、速度、動きのキレ、全てに影響が出る。



アイズのそれの扱いに関しては、ケイトから指導を受けて徐々に慣れつつはあるが…

それを意識して続け、無意識の内にできるようになってからの年季がやはり違う。


それが…勝敗を分けた。



否、分かたれた。




大剣の大振りに対し流れるような動作で受け流すと同時に、右足の蹴りがアイズの鳩尾へ炸裂した。



/ 5980ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp