第58章 堕天
リヴェリア達が言うには、アイズは何やらモヤモヤしていたような顔をしていたらしい…
大丈夫だという言葉を信じ、神の力を一番早くに身に着けたこともあって…外へと送り出した。
結界内では2時間前のことらしいが、外では20秒だ。
テロップ『結界内は結界外の360倍の速度で時は流れる←1336,2196ページ参照
2時間÷360×60時間/分×60分/秒=20秒』
修業空間を造り出した場所を尋ねた所、ここから程近い場所だった。
アイズから以前に頼まれて西の市壁にこっそりと作った、特定の相手のみ修業空間へ自動で入れる場所だ。
そんな折…その上にいることに、やっと気付いた。
ビシッ!!
月がひび割れるように光を失い、暗闇へと包まれる。
ケイトが都市に張っていた結界にひびが入った音だった…
ケイト「!!(瞠目)
…ヤバイ!(きっ!)
(このままだと結界が破れる!」ばっ!!
西の市壁の天へ向けて左掌をかざすと同時に、光が温かく包み込んだ。
と同時に、素早く異空間を造り出すと共に
その闇を造り出している元凶と一緒に作り出した異空間へと移動した。
現実世界へと影響が反映されないように――
そして……
異変は起きる
「………」
黄金の髪が黒く染まり、全身が闇に包まれ、デスペレートが闇そのものの剣へ変化していた…
虚ろな目を向けられる中、それは静かに…動き出した。
アイズ「……――壊さなきゃ」
そう呟いた瞬間…刃は振り下ろされた。
ビシッ!!!
その次の瞬間…一瞬でひびが入った。
即席で作り上げたものとはいえ、何億年経とうが無事なもののはずであるのにも関わらず…
ケイト「くっ」
即座に結界の補強と同時に刃を受け止め、浄化の力を展開と同時に左手親指と人差し指で挟んで受け止めてアイズの浄化にあたる。
その間、僕は空中都市に張られた結界を修復するよう皆へ促してから
ケイトとアイズがいる異空間へ移動し、その異空間の結界を修復することに神経を使っていた。
異空間内には僕とケイト、アイズ以外には人はおらず…
それから程なくして…
全力でのぶつかり合いへと――それは激化していく。