第1章 幼少期
頭が可笑しいと言われるやも知れぬ、黒羽も離れるかもしれない
だけどこのまま見て見ぬ振りも嫌なのだ。
口調はたどたどしいけど(ここがゲームの世界という事は伏せて)
ここから文明が発展した400年後で20数年生きてた事
そこは戦が無い日ノ本で、とても平和な所だった事と
私が死んだ事・・・
ほんの10かそこらの娘の口から出る様な内容の話じゃないけれど
兄さまと黒羽は最後まで聞いてくれた。そして
「うぬのその聡さの起因はそこからか」
と、優しく微笑んでくれて。
「なるほど、姫様にその様な秘密が」
黒羽は黒羽で妙に納得したような顔で。
え・・・? え・・・?
私は少し動揺して
「信じてくれる、の?」
思わず言ってしまった言葉に。
「うぬは今まで偽りを申した事があったか?」
「姫様は嘘はつけない性格でしょう?」
と2人して言うものだから、嬉しくてみっとも無く泣いてしまった。
突然泣きだした私に吃驚した黒羽はアタフタしながら宥めてくれて
その様子を兄さまは頭を撫でながら優しい目で見ていたのは、その場に居た者しか知らない。